せっかくの「AI資格」が無意味に……努力が水の泡になる5つの要因本当に必要なAIスキル習得方法【後編】

生成AIの利用が広がる中で、AI認定資格の取得を検討する人が増えている。時間とコストを費やす前に、理解しておくべき5つのリスクを解説する。

2024年12月27日 08時00分 公開
[Stephen J. BigelowTechTarget]

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 生成AI(AI:人工知能)の導入がさまざまな組織で拡大する中で、「AI認定資格」の取得を考える人もいるだろう。AI認定資格の取得にはメリットがあると同時に、取得が無駄になってしまうリスクも存在するため、慎重にその価値を見極めることが重要だ。

「AI資格」取得が無意味になる5つの要因

学習範囲の不足

 「AI」の定義は広範であり、プロンプトエンジニアリングからデータサイエンスまで幅広い領域が含まれる。一方で、認定資格でカバーすべき領域を定義する標準化団体は存在しない。そのため、学習範囲や深度に乏しい認定資格が少なくないのが現状だ。

標準性の欠如

 認定資格では特定の手法を学ぶことが一般的だが、そのアプローチが業界標準である、もしくは今後業界標準になる保証はない。

認知度の低さ

 認定資格の価値は、その資格がどの程度世間で評価されているかに大きく依存する。ニッチな認定資格やベンダー独自の認定資格は、信頼性や正当性が不足していることがあり、雇用主にアピールしたり、キャリアアップの機会をつかんだりする上ではあまり効果的でない可能性がある。

急速な陳腐化

 AI技術の進化は非常に早く、新しいツールや機能が次々に登場する。認定資格の取得に多大の時間とコストを費やしても、習得した知識やアプローチ、方法論はすぐに陳腐化する恐れがある。

継続的なアップデートの必要性

 資格保有を維持するためには、定期的な再試験や最新プログラムの履修が必要になる場合がある。受講者はスキルを最新に保てるという利点がある一方で、継続的に労力を費やし、しばしば追加のコストがかかる場合もある。

その他のAI教育

 AI認定資格は、スキルや知識の習得と証明に役立つが、AI技術について学ぶ方法は他にもある。例えば、以下のようなものだ。

  • 技術書
    • コンピュータプログラミング、データサイエンス、数学、AIシステムの運用面など、幅広いAI分野向けの書籍が出版されている。
  • 実地訓練
    • AIツールを実際に使うことは理解を深める上で非常に役立つ。例えば、プロンプトエンジニアリングスキルを強化するには、OpenAIの「ChatGPT」「DALL-E」といったAIツールを実際に使ってみるのが効果的だ。大半のツールでは、操作方法や活用例を含むドキュメントが用意されている。
  • 実務経験
    • 自組織でAIプロジェクトに参加することで、経験を積むことも可能だ。例えば、ソフトウェア開発者にとってはコーディングでのAI活用、IT運用者にとってはAIモデルのトレーニングやデプロイ(配備)、運用支援などがある。実務経験を通して、経験豊富なスタッフから指導を受けることもできる。

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