PowerShellの繰り返し処理「do while」と「do until」は何が違う?サンプルスクリプトで学ぶ

Windowsの「PowerShell」には「do until」と「do while」という、一見似ているが挙動が異なるループ構文がある。サンプルスクリプトを例に、それぞれの特徴と使い分ける場面、具体的な組み合わせ方を解説する。

2025年01月09日 08時00分 公開
[Anthony HowellTechTarget]

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運用管理 | Windows


 OS「Windows」のコマンド実行ツールおよびスクリプト(簡易プログラム)言語「PowerShell」は、自動化タスクを効率的に処理するためのさまざまなループ構文を提供している。「do until」と「do while」はその代表例で、評価したい条件の扱い方が異なる。以下では両者の仕組みの違いを、サンプルスクリプトを交えながら解説する。それぞれのループ構文の違いを理解して、効果的に使い分けられるようになろう。

do untilとは?

 PowerShellのdo untilは、指定した条件がtrue(真)になるまでコードブロック(処理のまとまり)を繰り返し実行するループ構文だ。条件を評価する前にコードブロックを必ず1回実行する。

 以下のサンプルスクリプトは、特定のサービスの状態を条件としたdo untilループの例だ。1行目では、サービス名を格納した変数「$service」を用いて対象サービスを開始する。スクリプトが1秒間待機した後、「Get-Service」コマンドでサービスの状態を確認するという流れだ。対象サービスが実行中(Running)なるまでこの処理を繰り返す。

Start-Service $service
do {
    Start-Sleep -Seconds 1
} until ((Get-Service $service).Status -eq 'Running')

do whileとは?

 do whileループは、指定した条件がfalse(偽)になるまでコードブロックを繰り返し実行するループ構文だ。do untilと同様に、必ず1回はコードブロックを実行してから条件を評価する。

 以下のサンプルスクリプトは、先ほどの例と同様、変数$serviceで指定したサービスの状態を条件とするdo whileループの例だ。ループに入ってから1秒間待機した後、対象サービスが実行中かどうかを確認する。サービスが実行中である間は待機を続け、サービスが停止するとループから抜け出す。こうした処理はサービスの監視に有用だ。

do {
    Start-Sleep -Seconds 1
} while ((Get-Service $service).Status -eq 'Running')

whileとの違いは?

 「while」も、指定した条件に基づいてコードブロックを繰り返し実行するループ構文だ。だがdo untilやdo whileとは異なり、コードブロックを実行する前に条件を評価する。そのため、最初から条件を満たさない場合、ループ内の処理を一度も実行しない可能性がある。少なくとも1回はコードブロック内の処理を実行する必要がある場合は、do untilまたはdo whileを使うとよい。

3つのループを組み合わせる

 これらの3つのループ構文がどのように異なるのかを示すために、簡単なサービス監視スクリプトの例を考えてみよう。

while ($true) { 
    Start-Service $service 
    do { 
        Start-Sleep -Seconds 1 
    } until (((Get-Service $service).Status -eq 'Running')) 
    do { 
        Start-Sleep -Seconds 1 
    } while ((Get-Service $service). Status -eq 'Running') 
}

 この例も、$serviceで指定したサービスの状態に基づいて条件が分岐する。最外部のwhileループは「$true」を条件としている。これは常にtrueと評価されるため、このwhileループはスクリプトが手動で止まるまで実行され続ける。中間にあるdo untilループは対象サービスが起動するまで待機し、最内側のdo whileループは対象サービスが終了するまで待機する。対象サービスが停止すると、最外部のwhileループの先頭に戻り、再びサービスの起動を試みるという流れだ。このスクリプトは停止しがちなサービスを継続的に監視し、自動的に再起動させる簡潔かつ効果的な方法だ。

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