「PowerShell」のループ処理構文を覚えれば、反復実行するタスクの自動化に役立つ。主要な構文のうち「while」「do while」の概要と、これらの違いを整理しよう。
本連載は、「Windows」のコマンド実行ツール「PowerShell」で利用できるループ処理の構文のうち、4種類の主要な構文を紹介する。後編は残る2種類を取り上げる。
「while」は、条件式の評価が「true」(真)である間、スクリプト(簡易プログラム)内のあるブロック(まとまり)を実行する。例えばID・アクセス管理サービス「Azure Active Directory」で管理するユーザーアカウントに対して、メールサービス「Exchange Online」のメールボックスの利用権限を付与するスクリプトがあるとする。メールボックスの作成が終わるまで、実行を待機する必要がある場合、このスクリプトは次のように記述できる。
$upn = 'testuser@domain.com' while (-not ($mbx = Get-EXOMailbox $upn -ErrorAction SilentlyContinue)) { Start-Sleep -Seconds 60 } # 以降に$mbxで実行する処理を記述する
※注:システムによっては正常に実行できない場合があります。
「$upn」で指定したアカウントのメールボックスが存在しなければ、「$mbx」はエラー値を示す。このとき条件式の結果を反転させる「-not」パラメータによって、条件式の評価はtrueとなり、ループは続行する。
whileの注意点は、PowerShellがループ内のブロックを実行する前に、条件式を評価することだ。falseだと評価すると、ループ内のブロックを実行しない。
「do while」はwhileと似ているが、ループ内のコマンドを少なくとも1回は確実に実行する点で異なる。実行後にPowerShellはwhile内の条件式を評価し、doループを終了するかどうかを判断する。
前出のwhileと同じ例は、次のように書き換えることができる。
$upn = 'testuser@domain.com' do { Start-Sleep -Seconds 60 } while (-not ($mbx = Get-EXOMailbox $upn -ErrorAction SilentlyContinue)) # 以降に$mbxで実行する処理を記述する
※注:システムによっては正常に実行できない場合があります。
このスクリプトは、whileで紹介したスクリプト例と同じ結果になる。つまりメールボックスの作成が終わってから、次の処理に移る。ただしメールボックスが存在するかどうかを初めて確認する前にも60秒間ストップする。
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