エンタープライズアーキテクチャのフレームワークであり、認証プログラムも存在する「TOGAF」。学習を通して得られるスキルやメリットを解説する。
企業のIT環境は、異なるアプリケーションやビジネスプロセス、データ、ネットワーク機器などが複雑に絡み合い、幅広い関係者やプロセスにまたがって構成される。特に、大規模なシステムの設計や管理に頭を抱えるITアーキテクトは少なくない。
複雑なIT環境の可視化と管理に役立つのが、「The Open Group Architectural Framework」(以下、TOGAF)だ。これはオープン標準の策定と認証を手掛ける非営利団体The Open Groupが提供するエンタープライズアーキテクチャ(EA)フレームワークだ。これは、組織のビジネス戦略とIT戦略を統合的に管理するための指針を提供するフレームワークを指す。
The Open GroupはTOGAFの認定試験も提供している。学習や資格取得を通してどのような知識やスキルを得られるのか、基本的な内容と合わせて解説する。
TOGAFの主な目的は、EAに関する基本的なスキルを身に付けることだ。主要なシステムの設計原則やフレームワークの概念を学び、これらのガイドラインを用いて組織におけるIT戦略の整合性を取る。その結果、異なる部門やプロジェクトが一貫した目標に向かって進むことができ、効率化につながる。
EAの共通用語を理解するためにもTOGAFが役立つ。ITアーキテクトには技術的な知識だけでなく、異なるステークホルダーと意思疎通を図るスキルが求められる。経営者や他部署の従業員など、非技術者を含めたステークホルダーとのコミュニケーション円滑化にもTOGAFは有効だ。
TOGAFの中核となるフレームワークがアーキテクチャ開発方法(ADM)だ。これは、企業のビジネスゴールをアーキテクチャに適合し、組織固有のアーキテクチャを開発するための方法を指す。
学習を通して身に付けた知識は、以下のようなタスクや用途において価値を発揮する。
後編は、TOGAFの資格取得に向けた準備方法を解説する。
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