「Java」は企業のアプリケーション開発を支え続けており、今後も有力な選択肢になり続けると考えられる。「クラウドネイティブ開発」「機能強化」「互換性」の3つの観点から、その理由を説明しよう。
前編「『Java』がいまだに使われ続ける“端的な理由”」に続き本稿は、2022年の今からでも、開発者がプログラミング言語および開発・実行環境「Java」を習得すべき理由を紹介する。
企業が自社アプリケーションをクラウドサービスに移行させるようになる中、「クラウドネイティブアプリケーション」開発の需要が生じてきた。クラウドネイティブアプリケーションは、クラウドサービスで稼働させることを前提としたアーキテクチャ「クラウドネイティブ」を適用したアプリケーションのことだ。
Javaで利用できるクラウドネイティブアプリケーション開発向けフレームワークには「Spring Boot」「Eclipse MicroProfile」などがある。フレームワークは特定の機能やアプリケーションを実装するための定型化されたソースコードと、実装に必要なプログラム群およびドキュメント群だ。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft、Alibaba Cloud、Oracle、Googleなどの大手クラウドベンダーは、企業のクラウドサービス活用を支援するため、Javaで利用できるさまざまなSDK(システム開発キット)を提供している。
Javaのバージョンアップは6カ月ごとだ。開発者は長い期間待つことなく、Javaの新機能を試すことができる。
2021年9月には、Oracleが「Java 11」以来となる長期サポート版(LTS)「Java 17」を公開した。Java 17は、データの保持に優れる「Record」というクラス(データやそれに対する処理の定義)などの新機能を提供する他、ガベージコレクション(自動でメモリを解放するメモリ管理技術)を改善した。開発者はこれらの機能を活用することで、アプリケーションの処理速度といった性能を向上させることが可能だ。
Javaは革新を続けている。一方で今日のJavaアプリケーションのソースコードが、過去に構築したサーバでも問題なく実行できることを保証するための、懸命な努力を重ねている開発者もいる。
長期サポートが存在するプログラミング言語を選択しなければならない開発者にとって、旧バージョンとの互換性を確保するJavaの取り組みは心強い。これは特に、長期にわたって保守、修正する可能性がある大企業プロジェクトに当てはまる。
旧バージョンとの互換性確保は、プログラミング言語への新機能実装を遅らせる恐れもある。Javaの進化が遅くなることにもなりかねない。慎重な機能拡張と進化の速度のトレードオフに問題がないかどうかについて、Javaを利用する企業はあらためて考えておくとよい。
Javaは革新を続け、開発者に採用され続け、アプリケーション開発に有効なプログラミング言語としてその地位を証明し続けている。ソフトウェア開発で今後も優勢であり続けると考えられる。
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