Pure Storageのストレージを従量課金で利用できる「Pure Storage Evergreen//One」を、オランダのIaaSベンダーが導入した。採用に至った背景と、コスト削減に期待する効果とは何か。
オランダに拠点を置くIaaS(Infrastructure as a Service)ベンダーEspresso Gridpointは、マネージドサービスプロバイダー(MSP)やソフトウェアベンダー向けに「仮想データセンター」事業を運営している。MSPやソフトウェアベンダーを介して、教育、自治体、医療などのさまざまな分野の組織がEspresso Gridpointのインフラを利用している。
同社は仮想データセンターのインフラを構成するストレージとして、Pure Storageのオールフラッシュストレージアレイ「FlashBlade//E」を導入。従量課金で利用できるサブスクリプションサービス「Pure Storage Evergreen//One」(以下、Evergreen//One)を適用して、コスト削減をはじめとする効果を見込む。FlashBlade//EやEvergreen//Oneを導入する決め手は何だったのか。具体的にどのような成果を期待しているのか。
Espresso Gridpointは以前、サービスの運用においてNetAppのストレージを主力にしていた。その状態から、Pure Storageのストレージへと段階的に移行してきた。Espresso GridpointのCEOマルガ・ロイバー氏によると、同社のストレージ容量は現在P(ぺタ)B単位に達しており、2025年1月にはFlashBlade//Eから上位モデル「FlashBlade//S」に移行する計画だ。
FlashBlade//Eは、データの読み書き速度などのパフォーマンスがそれほど重要ではない非構造化データの保存を想定した、容量重視のモデルだ。FlashBlade//Sはそれに比べ、容量とパフォーマンスの高さを両立するモデルだ。
Espresso Gridpointはそうしたストレージを購入するのではなく、STaaS(Storage as a Service)という形態で使用している。STaaSは、ユーザー企業がストレージを運用、保守することなく、従量課金で使用できるサービス形態だ。
「当社は設備投資と運用にかかるコストを重視している」とロイバー氏は述べ、Pure Storage製品のスケーラビリティ(拡張性)に期待を寄せる。購入やリース契約といった一般的な利用形態ではなく、必要に応じて容易に構成変更やアップグレードが可能な点を、同氏は評価している。Espresso Gridpointはインフラプロバイダーとして、ユーザー企業のスケールアップとスケールダウンのニーズを予測して対処しなければならず、インフラの迅速な拡張が重要になるためだ。
ロイバー氏によると、Pure Storage製品の主なメリットは、消費電力の削減、ストレージ1GB当たりのコスト削減だ。コスト削減の効果は、顧客企業に還元する方針だ。同氏は「他のクラウドベンダーと比べてより低価格でIaaSを提供できる」と意気込む。
膨大な量のデータを処理できる点も評価の対象だ。Espresso Gridpointのユーザー企業であるAI-InfraSolutionsは、カメラやセンサーを装着した車両を運用して年間PB規模の地理空間データを収集し、1日当たり最大十数TBのデータを処理している。FlashBlade//Eを採用したEspresso Gridpointのインフラを活用し、その処理時間を大幅に短縮できたという。
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