サーバではなくWindows 11で「Hyper-Vの仮想マシン」を作成できる方法Windows搭載PCでHyper-Vを使う【第4回】

あまり広くは知られていないが、サーバ仮想化に使われる「Hyper-V」を「Windows 11」のエディションで使うことが可能だ。Windows 11搭載のPCで「仮想マシン」を作成する方法を紹介する。

2025年02月02日 08時00分 公開
[Chris TwiestTechTarget]

 クライアントOS「Windows 11」のエディションでは、通常はサーバ仮想化のために使われるハイパーバイザー「Hyper-V」を使用することが可能だ。PCのリソースを仮想化することで、物理ハードウェアに縛られない運用によるメリットが得られるようになる。Windows 11搭載のPCで「仮想マシン」(VM)を作成する方法を紹介する。

Windows 11で「仮想マシン」を作成する方法

 Hyper-Vの有効化と設定の方法については第3回『サーバではなくWindows 11で「Hyper-Vによる仮想化」ができる方法』で解説した。

 有効化と設定の作業が完了したら、VMを作成できる。開始する前に、インストールしたいOSの「ISOファイル」(ディスクイメージ)が必要だ。この例ではサーバOS「Windows Server 2022」のISOファイルを使用する。

 VMの作成を開始するには、管理ツール「Hyper-Vマネージャー」を立ち上げ、以下の順で操作する。

  • メニューバーで「操作」を選択
  • 「新規」「仮想マシン」の順に選択

 これにより、「仮想マシンの新規作成ウィザード」が起動する。最初の画面で「次へ」をクリックする。次に「名前と場所の指定」で、VMの名前を指定する。第3回で解説した場所とは異なる場所にVMを保存することもできる。名前を入力したら「次へ」をクリックする(図1)。

画像 図1 VMの名前を入力する(画像は筆者が取得した英語版)

 次に、「世代の指定」画面に遷移する。Windows 11やWindows Server 2022などの最新のOSなら第2世代を選択する。古いOSや32bitのOSの場合は、第1世代を選択する必要がある。適切な世代を選択したら「次へ」をクリックする。

 次に、VMの起動に適切なメモリ量を割り当てる。「この仮想マシンに動的メモリを使用します。」のチェックボックスをオンにすると、VMは割り当てられたメモリを全て使用せず、その時点で必要なメモリ量のみを使用する。VMに適したメモリ量を設定したら「次へ」をクリックする。

 次の画面で、VMが接続する仮想ネットワークの仮想スイッチを選択する。先に決定したスイッチを選択し、「次へ」をクリックする。

 次の画面で、VMの仮想ディスク(VHD)を設定する。「仮想ハードディスクを作成する」を選択する。デフォルトでは、保存場所は先に設定した場所になっている。「VHDX」形式のファイルは動的で、実際に使用するストレージ容量は指定する最大容量ではなく、その時点で必要な容量のみだ。VHDのセットアップ後、「次へ」をクリックする。

 最後に、VMにOSをインストールしたいISOを選択し、「次へ」をクリックして「完了」をクリックする。VMが作成されたら、接続してVMにOSをインストールできる。これを実施するには、Hyper-VマネージャーでVMを右クリックし、「接続」をクリックする。

 接続後、左上隅の緑色の電源ボタンを押すか、「操作」をクリックして「起動」を選択することでVMを起動できる(図2)。

画像 図2 「Test-VM01」と名付けたテスト用VMの起動準備が整った(画像は筆者が取得した英語版)

 これでVMをISOファイルから起動し、OSのインストールの準備が整った。

 OSのインストール後、他の多くの仮想化ツールのように追加のドライバをインストールする必要はない。Hyper-VはMicrosoft製品であるため、ドライバはWindowsにすでに含まれている。

Windows 11でVMを管理する方法

 VMが起動して実行されている状態で、Hyper-Vマネージャーから全ての管理タスクを実行できる。Hyper-Vマネージャーの「仮想マシン」のペイン(ウィンドウを区切った枠)では、Hyper-Vで作成された全てのVMのリストを確認できる。

 VMを右クリックすることで、「停止」「シャットダウン」「保存」ができる。「一時停止」や「リセット」も可能だ。Hyper-Vが提供する重要な機能の一つが「チェックポイント」で、これはVMのスナップショットであり、チェックポイント作成時点にVMをロールバック(以前の状態に戻すこと)できる。

 チェックポイントの作成と管理は、VMを右クリックして実行する。新しいチェックポイントを作成する「チェックポイント」、もしくはチェックポイント時点の状態を復元する「戻す」を選択できる。

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