パスワードは管理や入力に手間がかかるだけでなく、攻撃に対して脆弱になる懸念もある。パスワードを使わない「パスワードレス認証」に移行するための3つのステップを解説する。
パスワードは管理や入力が面倒なだけではなく、攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)でもある。パスワードによる認証ではなく、生体認証のような“パスワードを使わない認証”である「パスワードレス認証」に移行することで、ユーザー体験(UX)とセキュリティ強度の向上が見込める。パスワードレス認証への移行を進めるにはどういう手順を踏めばいいのか。3つのステップで解説する。
最初は、セキュリティや事業全体の関係者と連携してパスワードレス認証への移行計画を立てる。移行計画には最低限、次の手順を取り入れよう。
パスワードレス認証への移行に当たり、最初から専用ツールを導入する必要があるとは限らない。導入済みのスマートフォンやPCといったデバイスの他、IAM(IDおよびアクセス管理)ツールにパスワードレス認証機能が付いている場合があるからだ。コストやスピードの観点から、まずはこうした機能を活用するのも手だ。
気を付ける必要があるのは、パスワードレス認証の対象者だ。従業員に加えて、顧客もパスワードレス認証の対象に含めるべきケースがある。それぞれのニーズに合ったパスワードレス認証の仕組みを作るには、以下がポイントになる。
UXの向上ももちろん大切だが、セキュリティの強化が主要な目的となる。製品としては、アカウント管理ツールが中心。大半のアカウント管理ツールは以下に準拠している。
ベンダー独自のパスワードレス認証方法を採用しているアカウント管理ツールもある。
UXの向上が主要な目的となる。認証の仕組みが使いにくければ顧客離れにつながる恐れがあるが、セキュリティも重視しなければならない。特に、契約締結に関するツールでは、複数の要素によって認証を求める仕組みの導入が必要になる。
ツール導入の流れとしては、まず一部のエンドユーザーを対象にテストを実施するとよい。テストを通じて問題点を洗い出し、改善した上で、全体への展開に取り組む。組織が大きければ大きいほどトラブルが発生しやすくなるので、展開の作業を幾つかのフェーズに分けて取り組むことが望ましい。万が一のトラブル発生に備え、組織はパスワードレス認証についてのサポート体制を整えることが重要だ。
既存のツールだけでニーズを満たせない場合は、追加の方法を検討してパスワードレス認証の手段の幅を広げることになる。例えばメインフレームを基盤として構築されたレガシーアプリケーションなど既存のツールで扱えない対象についてもパスワードレス認証の対象にするのであれば、そのためのツールや仕組みの導入は欠かせない。
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