技術の進化とともにネットワークの複雑化による管理しにくさが課題になっている。解決策の一つは「プラットフォームベースのネットワーキング」の採用だ。どのようなものなのか。
システムが物理的に離れた複数の拠点に点在する「分散型IT」、複数のクラウドサービスを併用する「マルチクラウド」、データを発生源の近くで処理する「エッジコンピューティング」、AI(人工知能)――。現代のシステムを支えるさまざまな技術やシステム運用形態は、拡張性に優れ、ビジネスの変化に素早く順応できるネットワークを必要とする。こうした要求に応える手法として、「プラットフォームベースのネットワーキング」がある。
プラットフォームベースのネットワーキングは、単一の統合管理システム(プラットフォーム)を利用してネットワークを一元的に構築、運用する手法だ。ソフトウェア、運用ポリシー、テレメトリーデータ(システムの稼働状況や利用状況を表すデータ)、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、自動化の仕組みなどを単一の制御ポイントから管理できるようにする。
企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む上では、従来のネットワークが抱える課題に対処しなければならない。具体的にはシステムごとにデータが孤立する「サイロ化」、特定の用途しかないツールの乱立、運用担当者のスキル不足などがある。企業はプラットフォームベースのネットワーキングを採用することで、以下の恩恵を受けることができる。
例えば、あるエネルギー業界の企業がプラットフォームベースのネットワーキングを使って、ネットワークスイッチを監視し、ネットワークの問題をいち早く特定。トラブル発生を減らし、ネットワークの可用性を高めたという事例がある。
プラットフォームベースのネットワーキングの中核を担うのがAPIの活用だ。企業はAPIを通じて、さまざまなソフトウェアやデータ、ネットワークドメインを相互接続可能だ。これによって、複数の管理ツールを使い分ける必要がなくなり、AI技術やIoT(モノのインターネット)など、ネットワークに新しい技術を、費用を抑えて導入できる。プラットフォームベースのネットワーキングで管理者インタフェースを一本化し、ハードウェアやソフトウェア、パッチ(修正プログラム)適用の簡素化につなげられる。
企業はプラットフォームベースのネットワーキングによって、脅威を検出して対処する技術「XDR」(Extended Detection and Response)や、エンドユーザーのID管理を一元化する「IAM」(IDおよびアクセス管理)といったセキュリティ対策も講じやすくなる。データを共通の形式で扱う仕組みは、脅威の検出やセキュリティテストの実行などを容易にする。ITに関する従業員トレーニングを効率化したり、ネットワーク管理にかかる費用を削減したりすることも可能になる。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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