「通信」以外も重視 カタール航空がSD-WAN導入を決めた理由ネットワークインフラを刷新

航空会社Qatar AirwaysはSD-WANの導入を決定し、全世界の拠点においてネットワークインフラの強化に取り組んでいる。同社がSD-WANを選んだのは、なぜなのか。

2025年11月20日 10時30分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

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 航空業界は旅客需要の変化とともに、デジタル運営の拡大によるネットワークの複雑化に直面している。ネットワーク対する要求は高速な接続性だけではなく、セキュリティにも及んでいる。こうした課題を解決するためにQatar Airways(カタール航空)は、航空会社向けIT製品を提供するSITA(国際航空情報通信機構)から、SD-WAN(ソフトウェア定義型WAN)製品を導入した。その理由とは。

「快適な接続」だけではない、SD-WANのメリット

 Qatar Airwaysはドーハのハマド国際空港をハブとして、世界約170の都市に就航している。SD-WAN製品の導入は、世界各地にある約350の拠点に加え、複数のデータセンターを対象とした大規模なものだ。SD-WAN導入の狙いは、通信のレイテンシ(遅延)を減らし、高速なネットワーク接続を可能にすることにある。それによって、さまざまなデジタルサービスを利用する同社の顧客にとってより快適な体験を提供できるようになるという。

 SD-WANは、物理的な回線の構成や種類に縛られていた従来のネットワークを、ソフトウェアによって動的に制御する技術だ。信頼性の高い専用線を構築する技術「MPLS」(マルチプロトコルラベルスイッチング)、専用線やブロードバンドといったインターネット回線、携帯電話の通信規格「LTE」(Long Term Evolution)/「5G」(第5世代移動通信)などの技術を組み合わせる。データの内容や回線状態に応じてシステムが最適な通信経路をリアルタイムで選択する仕組みを構築できるため、応答時間の短縮や通信障害の減少につなげられる。

 SD-WANによってセキュリティも強化できる。SD-WANは複数の保護層を使用してデータを安全に保つ。データ保護策には、適切なエンドユーザーのみが接続できるようにする厳格なアクセス制御、社内外を問わず全てのエンドユーザーとデバイスを継続的に検証する「ゼロトラストセキュリティ」が含まれる。Qatar AirwaysはSD-WANを武器に攻撃のリスクを低減し、攻撃によるビジネスへの影響を減らすことを目指しているという。

 SITAはQatar Airwaysによる導入を皮切りに、他の航空会社でもSD-WANの採用が広がることを見込んでいる。SITAの中東およびアフリカ地域のプレジデントであるセリム・ブーリ氏は、「SD-WANはグローバル規模でビジネスを展開することに必要な通信速度やデータ保護力を提供する技術だ」と述べる。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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