形骸化したPPAPと現場の「無断利用」を防ぐ
「利便性」に敗北する情シスのルール 47%が手を染める“シャドーIT”の正体は
kubellストレージは、中小企業の実務者647人を対象にした「ファイル管理とセキュリティに関する意識調査」を発表した。その結果、シャドーITやPPAPの使用が続いている実態が明らかになった。企業が取るべき対策は?
会社非公認のツールを業務で使った経験がある人が約47%に上るという調査結果が明らかになった。法人向けオンラインストレージサービス「セキュアSAMBA」を提供するkubellストレージは2026年2月20日、「ファイル管理とセキュリティに関する意識調査」の結果を発表した。中小企業の現場実務者でChatworkを利用する647人にアンケート調査を実施したものだ。
本調査は、サイバー攻撃の高度化や情報漏えいリスクの高まりを背景に、リソースが限られる中小企業において「セキュリティ対策」と「業務利便性」の両立がどのような状況にあるかを把握することを目的としたもの。テレワークの定着やDX推進により、社内外のファイル共有が日常業務の中心となる中、現場ではセキュリティルールよりも業務効率を優先する傾向が明らかになった。
「会社から許可されていないツールを業務で利用したことがあるか」との設問に対し、約47%が「ある」と回答した。理由としては「会社指定ツールが不便」「現場のスピードを優先したい」といった回答があり、利便性がセキュリティを上回っている状況が浮き彫りになった。
2020年に内閣府が廃止方針を示したパスワード付きZIPファイルのメール送信、いわゆる「PPAP」についても、約49%が利用し続けていることも分かった。官公庁や大手企業で廃止が進む一方、中小企業では旧来の慣習から脱却できていない実態が明らかになった。
社内に存在するセキュリティ規定が、現場で形骸化していることも分かった。kubellストレージによると、社内のセキュリティ規定を「守れていない」と答えた回答者の割合は、ビジネスのスピードや成果を強く求められる職種ほど高い傾向にあった。約62%の企業で専任のIT管理者を配置しておらず、高機能なツールを導入しても従業員が使いこなせず、従来の方法に戻るケースもある。
これらの結果についてkubellストレージは、「厳格なルールで従業員を縛っても、従業員は利便性を求めてシャドーITやPPAPの利用を止めない」と指摘する。ITの専門知識がなくても直感的に使え、安全性を確保できる仕組みを整備し、「正規ツールの方が便利で安全」と感じられる環境を構築することが、情報資産を守るための現実的な解決策だとしている。
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