リオ・ホールディングスは、SAP製品を中核とする新基幹システムの稼働を発表した。2025年8月に本格稼働し、連結仕訳の自動化で手作業を9割以上削減。データ収集の迅速化により、経営判断の高度化とガバナンス強化を実現した。
リオ・ホールディングスは2026年3月、SAPのシステムを中核とした新システムへ移行し2025年8月から本格稼働を開始したと発表した。この取り組みにより、連結仕訳の自動起票により手作業を9割以上削減したほか、データ収集の迅速化により経営判断のスピード向上とガバナンス強化を達成した。
100社以上のグループ会を統括するリオ・ホールディングスは、不動産を中心とした資産運用コンサルティングサービスを展開している。同社では、急速な事業拡大に伴い従来の会計・購買システムと周辺システムとの連携で困難を抱え、手作業による業務が増加していた。また、多数の関連会社からデータを収集・分析する作業が大きな負担となっており、業務の効率化とガバナンスの強化が急務となっていた。
こうした状況を打開するため、リオ・ホールディングスはデータ収集・分析の高度化や、周辺システムとの連携強化による自動化、業務プロセス統一によるガバナンス強化を目的として、システムの全面刷新を決定した。選定に当たっては、ERPの標準機能に業務を合わせる「Fit to Standard」と、カスタマイズを最小限に抑える「クリーンコアアプローチ」を徹底。システムは「SAP Cloud ERP」およびアプリケーション開発ツール群「SAP Business Technology Platform」(BTP)を中核とし、人工知能(AI)支援型統合ソリューション「SAP Integration Suite」を活用することで、周辺システムとの円滑な連携を図った。
プロジェクトを支援したのは、NTTデータグループのフォーティエンスコンサルティングだ。グループ100社以上を対象とした連結会計、固定資産管理、購買領域を含む基幹システムを、8カ月という短期間で刷新した。特に「SAP Cloud ERP」と「SAP S/4HANA for Group Reporting」の同時稼働を実現したことで、高度なグループレポーティング体制を構築した。
導入により連結仕訳の自動起票が可能になったことで、従来の手作業による仕訳を9割以上削減した。グループ全体で業務プロセスを共通化したことにより、経理・購買業務の効率は向上している。データ収集のスピードが上がったことで、タイムリーで質の高い経営判断を実施できる環境が整った。クリーンコアアプローチを維持したことで、将来的なバージョンアップの効率性も確保でき、自律的なシステム運用が可能になった。
リオ・ホールディングスは今後、刷新したシステム基盤を核として、各種基幹システムとのデータ統合や生成AIの活用を推進する方針だ。ビジネス意思決定をさらに加速させ、不動産資産運用におけるファミリーオフィスサービスの価値向上を目指す。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「リオ・ホールディングス、SAP導入で100社超の会計・購買システム刷新 手作業9割削減」(2026年3月11日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
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