専任のIT担当者がいない拠点でネットワークトラブルが起きると、原因特定だけで時間を奪われる。複数拠点のネットワーク管理において、運用担当者を苦しめる要因と解決の糸口を、バッファローの調査から読み解く。
企業の複数拠点化や多様な働き方の普及に伴い、各拠点の通信インフラを安定して維持することがビジネス継続の鍵になっている。そうした拠点の拡大に伴い、本社から離れた拠点のネットワーク運用負担が増大しているのが実態だ。PC周辺機器メーカーのバッファローが2026年3月に実施した「多拠点企業のネットワーク運用負担に関する実態調査」によると、運用担当者の多くがトラブル対応や状況把握に多大な時間を奪われていることが浮き彫りになった。本調査の対象者は、2拠点以上を持つ企業に勤務し、2024年3月からの直近2年以内にネットワークトラブルを経験した運用担当者330人だ。
調査によれば、複数拠点のネットワーク運用において「拠点の状況把握が難しい」ことを課題に挙げる担当者が多数を占めた。現地に専任のIT担当者がいないケースが目立ち、稼働状況が可視化されていないことで、トラブル発生時の原因究明に時間を要している。一方で、こうした課題を解決する手段として機器の集中管理システムを導入した企業では、8割以上の担当者が「現地への訪問回数が減った」と回答しており、リモートからの管理が一定の成果を上げていることが分かる。
しかし、集中管理システムを導入した企業においても、依然として運用上の不満や悩みは完全には払拭されていないようだ。集中管理システムが抱える「3つの壁」と、多拠点ネットワーク運用が目指すべき将来像を解説する。
実態調査の詳細を見ると、直近2年以内に実施した通常業務外のトラブル処理で最も多かったのは「原因特定のための機器ステータスや接続情報の確認」(45.8%)であり、次いで「拠点からの問い合わせによるトラブル対応」(40.9%)、「拠点のネットワーク設定の見直し、変更」(39.1%)と続いた。トラブルの発生頻度は「2〜3カ月に1回程度」が最多(30.9%)であるものの、月に1回以上発生している割合も3割を超えており、IT担当者が頻繁にトラブルシューティングに追われていることがうかがえる。
トラブル処理に要した時間を見ると深刻さが際立つ。最も時間がかかった案件で「解決までに2時間以上」を要したケースが4割を超えた。「何が起きているか」という原因や影響範囲の把握だけでも、過半数が1時間以上を費やしている。現地に赴かなくても状況を可視化する仕組みの欠如が、復旧の遅れに直結している。
こうした現地対処の手間や出張の負担を省くため、回答者の52.1%がソフトウェアやクラウドサービスによる「集中管理サービス」を利用している。集中管理サービス導入企業の84.9%が「現地への訪問回数(出張)が減った」と効果を実感しているが、同時に新たな壁にも直面している。利用中のサービスに対する課題や不満として、「複数メーカーの機器を一元管理できず、管理が煩雑になっている」(50.0%)、「サポート体制が不十分で、トラブル時の対応に不安がある」(43.0%)、「ライセンスの更新費用が高く、継続に課題を感じている」(40.7%)といった声が上位に挙がった。運用を効率化するために導入したシステムが、かえって管理面や費用面での負担を生んでいる実態が見えてくる。
今後のネットワーク整備において、運用担当者は「セキュリティ強化」(35.5%)や「通信量、帯域増に備えたネットワーク整備」(30.6%)を課題として見据えている。それと同時に、日々の運用負担を軽減するために「問い合わせ対応のやりとりを減らすこと」(37.6%)や「現地対応の回数を減らすこと」(34.5%)を優先したいという意向が強い。
機器の設定を遠隔から変更できるだけではなく、複数メーカーの機器が混在するインフラ構成を、手間なく一元的に管理し、現場の状況を即座に把握できる仕組みを構築することが、これからの複数拠点ネットワーク運用には不可欠だ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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