調査会社Gartnerは、サーバ耐用年数3年間のエネルギー供給コストが、近くサーバ取得コストを上回ると予想している。
米Eatonのデータセンターソリューション担当プロダクトマネジャー、クリス・レフラー氏はこの予想を念頭に、データセンター省エネの10の方法を紹介した。同氏によると、この「簡単にできる」方法を組み合わせれば、可用性を犠牲にすることなくデータセンターのエネルギー消費を最大で50%削減できるという。
レフラー氏によると、通常のx86サーバはアイドル状態でも最大電力の30〜40%を消費する。業務を実行していないと思われるサーバの電源は切るべきだと同氏は言う。もし誰かが文句を言ってきたら、ほとんど使われていないそのアプリケーションが仮想化できるかどうかを検討するといい。
仮想化は、2007年のデータセンターカンファレンスで最も注目を浴びたテーマの1つだった。ベンダーによると、サーバの利用率は通常5〜15%程度。DAS(Direct Attached Storage)の利用は20〜40%、ネットワークストレージは60〜80%となっている。仮想化によってハードウェアの利用率を5〜20倍に引き上げ、電力を大量に消費するサーバの数を減らすことが可能だ。
サーバ、ストレージ、ネットワークは可能な限り統合すべきだとレフラー氏は言う。ラックマウント型サーバはブレードサーバに入れ替えた方がいい。電力、ファン、ネットワーキング、ストレージといったリソースを共有できるからだ。ブレードサーバはコンピュータ処理能力は同じでも、消費電力と冷却を10〜25%削減できる。ストレージも統合し、階層ストレージを使って別々の業務を処理するといい。

電力管理機能が組み込まれているのにまったく使われていないハードウェア製品も多いとレフラー氏は話す。「大手ベンダーのほとんどが、かなり前からこれを使っている。このような機能が開発されていることや、サーバ自体に組み込まれていることをあなたが知らないだけかもしれない」。この機能では、複数の稼働状態をダイナミックに切り替えることで、CPUの電力消費を最適化できる。さらに、CPU上で実行されている命令の数に応じて入力電圧と周波数を低下させる。これにより、サーバの消費電力を最大で20%削減することが可能だ。
「80%強の効率性を目指すメーカーが増えている」とレフラー氏。電源装置のエネルギー効率が上がれば、エネルギー供給インフラ全体の効率もアップする。レフラー氏によると、これによってデータセンターの電力・冷却ニーズを15%削減できる可能性がある。
UPSは80〜95%の効率性を達成できる。「効率性が80%なら、旧式のUPSシステムを使っている可能性が高い。新しいUSPシステムに切り替えれば95%を達成でき、それによって得るものは極めて大きい」(レフラー氏)。「80年代や90年代に構築されたシステムを運用している場合、ここに目を向けるといいかもしれない。こうした旧式のシステムを入れ替えることによって効率を向上させることが可能だ」
標準的な120ボルト配電(訳注:日本の場合は100ボルト)ではなく208または230ボルトの高電圧電源コードを使えば、サーバの電源効率を82%から84〜85%にまで引き上げることが可能だ。「サーバと配電をラックに設置する際、高電圧配電機能と、サーバが実際に持っている機能を利用しさえすればいい。これにより、サーバに供給する電圧を可能な限り最大に維持できる」(レフラー氏)
レフラー氏によると、多くのデータセンターが冷却効率を上げるために冷気通路と暖気通路の設定を利用しているが、ほかにもできることがあるという。スロットに空きがあるサーバラックに「ブランクパネル」を取り付けるのも手だ。これは「冷気通路の冷気が必要以上に早い段階で暖気通路の暖気と混ざることを防ぐための優れた手段」だとレフラー氏は解説する。
空気が漏れ出るのを防ぐため、ケーブルの配線のために開けた穴はふさぐこと。可変周波数駆動(冷却需要が落ちたときに空調システムのモーター駆動速度を調整する)などの効率技術を使った空調装置、空冷装置も検討するといい。
前述の通り使っていないIT機器を停止することに加え、使っていないアプリケーションを引退させ、もっと効率的なソフトウェアの採用に目を向ける。
レフラー氏は、データセンターのエネルギー需要を減らすために必要な手順を洗い出し、優先順位を付ける必要があると指摘する。こうした効率性向上策に着手する前に経営陣の支持を取り付け、IT業務のエネルギー戦略策定に当たる部門間協力チームを組織しておくことが望ましい。