セキュリティ予算制約の悩みを解決
Windows 7の標準機能で守るデスクトップセキュリティ
Windows 7には、多数のセキュリティ機能が標準で搭載されている。また、デフォルトで有効にはなっていないけれどもデスクトップのセキュリティ管理に役立つものもある。
予算の制約が厳しいために、必要なサードパーティー製セキュリティ管理ツールを全部購入するのは難しいという企業もあるかもしれない。しかし社内でWindows 7を運用しているのであれば、こういった悩みを多少は解消できる。Windows 7には、多数のセキュリティ機能が標準で搭載されているからだ。これらの機能とWindows Server 2008 R2が備える補完的なサーバ側ツールおよび市販のサードパーティー製品を組み合わせれば、図1に示すセキュリティライフサイクルをサポートするのに必要な機能をほぼすべて実現することが可能だ。
以下、限られた予算の中で重宝するWindows 7の主要なセキュリティ管理機能を紹介する。
デスクトップファイアウォール
これまで何度も言ってきたことだが、ホストベースのファイアウォールを使用していないデスクトップを見掛けることが多いのには驚くばかりだ。「Windows Firewall with Advanced Security」(セキュリティが強化されたWindowsファイアウォール)を利用すれば、Windows 7システム上でインバウンド/アウトバウンドトラフィックを驚くほどきめ細かく管理することが可能になる。
Windows Firewallは、ルールの作成・管理・監視、ファイアウォール設定のインポートとエクスポートおよび設定に関する問題の診断を実行するための一元的なインタフェースを備えている。Windows Firewallと「Group Policy Objects」を組み合わせれば、侵入者に対して(そして多くの場合、マルウェアに対して)強固な防護を構築できる。
パッチ管理
パッチをタイムリーに適用するのが重要であることは、いまさら繰り返す必要もないだろう。これについては、基本的にWindows Updateで事足りる。しかしシステムにインストールしたサードパーティー製ソフトウェアへのパッチ適用をどうするかというのは厄介な問題だ。これに関しては、「Windows Server Update Services(WSUS)」をサードパーティーのパッチマネジャーと組み合わせて(あるいはサードパーティーのパッチマネジャーを単独で)実行することにより、重要なアップデートを必ず適用する必要がある。またDirectAccessを利用すれば、リモートユーザーに対するパッチ管理が容易になる。
モバイルドライブの暗号化
わたしは必ずしもBitLockerの利用を推奨していない。配備と管理の面で問題があるからだ。わたしのみるところでは、ワークステーション用システムとしてノートPCだけを使っているという企業は少ない。伝統的なデスクトップPCも依然として残っている。暗号化する必要があるノートPCの台数が比較的少ないのであれば、BitLockerが有効な選択肢になるかもしれない。管理が面倒だという問題はあるが、暗号化しないよりはする方がましだ。
データのバックアップ
Windows 7の「バックアップと復元」機能は、やや時代遅れの感がなくもないが、HDDの障害やシステムの紛失、盗難に備えてユーザーのデータを守ってくれる。これに関連してもう1つ考えなければならないことがある。「社内のワークステーションのバックアップが行われていないのはなぜか」という疑問だ。一般的な理由は「従業員にデータをローカル保存するのを禁じている」とか「バックアップに必要な帯域やストレージスペースがない」というものだが、こういった言い訳は現在では通用しないし、それに危険極まりない。あらゆるデータがバックアップされていると思い込んでいたために重要なファイルを失ったユーザー(特にリモートアクセスをしているユーザー)は多い。
デフォルト以外の機能
Windowsデスクトップの機能の中には、デフォルトで有効にはなっていないけれどもデスクトップのセキュリティ管理に役立つものもある。例えば、Internet Information Services、Telnet、Trivial File Transfer Protocolなどがそうだ。また「Microsoft Baseline Security Analyzer 2.2」はWindows 7をサポートし、悪用される恐れがある基本的な脆弱性を事前に発見することができる。
上記のリストは、Windows 7の標準機能で何が可能なのか(そしてWindows PowerShellとSysinternalsを使って何を自動化できるのか)をごく大ざっぱに示したものにすぎない。
自社のネットワークの規模および社内のデスクトップ管理に利用できるリソースに応じて、こういったセキュリティ管理ツールが長期的に有効なソリューションになる場合もあれば、そうでない場合もあるだろう。しかし創意工夫を発揮し、手元にあるものを活用することもIT部門の業務の一部である。予算が少ない(あるいはまったくない)のであれば、上で紹介した機能を活用してみてはいかがだろう。少なくとも当面は、これである程度のセキュリティ管理を実現できるだろう。
本稿筆者のケビン・ビーバー氏は、米Principle Logicを経営する情報セキュリティコンサルタント・鑑定人で、セミナーの主催者や講演者としても活躍する。IT分野で20年以上の経験を持ち、8年前に独立した。専門は独立した立場からのセキュリティ評価で、コンプライアンス対応とビジネスリスクの管理という視点で評価を行う。『Hacking For Dummies』『Hacking Wireless Networks For Dummies』(いずれもWiley)など情報セキュリティに関する7冊の著書および共著書がある。またITプロフェッショナル向けの情報セキュリティ教材として「Security On Wheels」というオーディオブック/ブログの作成も手掛けた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
製品資料
[株式会社ウェーブスプリッタ・ジャパン] 100Gbps対応の光トランシーバーはどう選ぶ? 10分で分かる選定のポイント -
製品資料
[株式会社フィックスターズ] 組み込み開発の生産性と機密性を両立、自社環境で構築する「セキュアAI」活用術 -
製品レビュー
[ServiceNow Japan合同会社] 問い合わせの約9割を自動で解決、AI主導の自律型CRMがもたらす業務変革の全貌 -
市場調査・トレンド
[ServiceNow Japan合同会社] AI活用が業務自動化で止まる理由は何か? 調査で判明した課題と変革への道筋
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
2
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
3
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
4
Anthropicが明かす AIは入力データを「どこまで覚えているのか」
-
5
GitHubが指摘 AIが書いた「おそらく動くコード」が招くシステム崩壊
-
6
「高すぎるGPU」を捨てAI推論をCPUへ Armが示す電力とコストの現実解
-
7
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
8
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
9
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
10
【漫画付き】"RAG導入失敗3例"と処方箋 「入れても使われない」を終わらせる
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー