値引き幅とセールの実施タイミングを最適化
35歳以下の顧客をどう魅了する? ファッション系ECサイトの挑戦
オランダ最大手のファッション系ECサイトでは、シーズンごとの在庫品や返品率の高さが悩みの種となっていた。顧客ニーズに応じた体験を提供するため、ビッグデータとアナリティクスを大いに活用しているという。
オランダ最大手のファッション系オンライン小売業者であるWehkampは、値引き管理システムに米IBMのクラウドベースのマーチャンダイジング(MD)アナリティクスツールを採用した。これによって消費者のニーズに、よりきめ細かく対応するとともに、収益性の向上を目指している。
WehkampのWebサイトには、2012年、1億2200万を超えるアクセスがあった。同年に売り上げた商品の数は1560万点を超える。同社によると、顧客の半数以上は35歳以下だ。
シーズンごとの在庫管理が悩みの種
同社のITチームは若年層の顧客に対して、それぞれの好みに応じたショッピングエクスペリエンスを提供できるように、ビッグデータとアナリティクスを大いに活用している。
しかし、Wehkampでは、ファッション系オンラインショップならではの課題に直面していた。シーズンの終わりには毎度、在庫品を処分して翌シーズン用商品の保管スペースを確保するためのバーゲンセールを開催するが、計画していたセール用価格設定と値下げ幅の変更が悩みの種だという。
Wehkampでは、既にIBMのデジタルアナリティクス、クロスチャネルマーケティング、顧客エクスペリエンス管理ツールを導入していた。そこにクラウドベースのサービスを追加して、IBMの「Price, Promotion and Product Mix Optimization」サービスを利用する。Wehkampはこれで「クリアランス」商品の収益性を最大限に高めると同時に在庫を十分に確保できると期待を寄せている。
「販売や購買など、企業の商業活動に適したソフトウェアとサービスに対応するIBMの『Smarter Commerce』関連製品を利用することで、当社は値引き幅とセールの実施タイミングについて十分な情報を基に決断を下せるようになり、在庫、収入、利益の目標を達成できる」とWehkampのマーケティング部門の責任者、アレクサンダー・ファン・スローテン氏は話す。
総合的なアプローチ
例えば、ファッション系オンライン小売りの通例として、顧客がサイズや色を複数注文することが多く返品率が高い。返品は在庫に影響するので、値引きのプロセスの中で考慮して、より的確な判断を下す必要がある。
「オンラインショップを経営する立場から見て、マーケティングのキャンペーンには総合的なアプローチで取り組み、顧客には適切なオンラインエクスペリエンスを提供した上で、適切な商品を適正価格で届けることが大切だと考えている」と、ファン・スローテン氏は語る。
「クラウドベースのプラットフォームを採用することで、バーゲンセール時の値引き幅の決定、セール告知のメール送信、オンラインエクスペリエンスの向上などさまざまな戦略を、顧客を中心に据えて考えられるようになった」とも同氏は付け加えた。
「ビッグデータと予測アナリティクスを活用して、wehkamp.nlサイトはマーケティングとマーチャンダイジングのプロセスを合理化し、顧客のニーズに応えるにはカスタマイズと十分な情報に基づくプランニングが最善の方法であることを証明した」と、IBM Industry Solutions部門の責任者を務めるクレイグ・ヘイマン氏は語る。
デジタルアナリティクス、顧客エクスペリエンス管理、メールキャンペーンにクラウドベースのサービスを利用することで、Wehkampはマーケティング活動を通して収益を上げることに成功した。送信した販促用メール1通当たりの収益率は271%増を記録し、CTR(クリック率)も68%増となった。Wehkampでは値引きの最適化ツールも導入し、MDでも同様の効果を上げることを狙っている。
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