どのように統合すべきか
会計システムがなぜか複数ある“ウチの会社” 4ステップで解決しよう
多くの大企業が会計システムを複数利用している。だが、そのせいでデータの可視化ができていない可能性もある。本稿では、複数の会計システムをどのようにして統合すべきかを説明する。
会計システムを複数利用している企業は、単一システムへの統合にどう取り組むべきか、またその理由は何か。
企業が会計システムを複数持つのには、幾つか理由がある。合併買収(M&A)や複数地域での事業展開、多層的な事業構造、あるいは会計、税金、コンプライアンスなどの複雑な問題が絡み合った影響などがその理由だ。
合併や買収を重ねるうちに会計システムが増えてきたという企業は、全ての事業活動を一貫性を保って把握する必要がある。最も簡単で短期に行うことができる解決策は、幹部への財務報告の段階で情報を統合するというやり方だ。だが長期的には、企業は複数の財務管理システムを1つに統合すべきだ。報告や帳簿の締め方に違いがあると、ビジネスの進め方にも違いができ、企業活動に支障を来すことになる。財務部や経理部は企業活動をサポートするために存在するのであって、一貫性のあるプロセスやビジネスの妨げとなるようでは本末転倒だ。
会計システムを首尾よく整理統合し、ビジネス環境を一元化するには、企業は以下のステップを踏む必要がある。
- 全ての会計システム内の会計慣行と処理方法(収益認識、仕入れ、経費の計上、決算手順など)の他、関連するガバナンス、リスク管理、コンプライアンスに関する方針を明確にする
- 会計慣行が明確になったら、各会計システムの似通ったプロセス間に矛盾がないかを確認する。システムによって生じているボトルネックは、新しい会計システム、またはより効率的なシステムを選ぶことで回避できるかもれない。あるいは、新しい法律や内部統制に取って代わられた古いコンプライアンス要件に基づく財務処理が一部残っている可能性もある
- 自社のITロードマップを考慮して統合システムを選ぶ。モバイル活用に積極的な企業であれば、複数のプラットフォームに対応するモバイルアプリを使えるかどうかを確認する必要がある。導入予定のソリューションがクラウド、オンプレミス、ハイブリッドクラウドへの展開をサポートするかどうかを確認し、技術的な柔軟性を確保することも重要だ。また、月次、四半期、年次の決算業務にコラボレーション技術を利用しているのであれば、そうした技術を新しいシステムにも組み込めるかどうかを確認する
- 組織全体のニーズを十分にカバーできるよう多言語多通貨対応を目指す。世界各地の日常業務を統括しているビジネスマネジャーをサポートするためには、ローカリゼーションが重要だ。理想としては、各言語や通貨または地域に固有のコンプライアンスについてもシステムでサポートしたい
会計システムが複数存在する企業では、ERPも複数導入されている場合が少なくない。各事業部門がそれぞれ異なる会計慣行を持ち、簡単には調整できない状況だ。こうした場合、会計システムのスムーズな統合を進めるためには、以下の2つの方法のうち、いずれかを取ることになる。1つは戦略的な会計慣行と業務上の会計慣行のいずれかを変えることを理解した上で統合を実現する方法。もう1つは、極めて複雑かつグローバルな財務モデルにも対処する堅牢な会計システムへの移行を選ぶ方法だ。
どちらも当てはまらないようなら、統合という考えが間違っているのかもしれない。その会社にはまだ、進んで変化しようという意志がないということだ。変化に備え、変化を受け入れる意志がなければ、統合の意志だけがあっても意味がない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
5
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
6
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
7
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
8
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
-
9
アラート疲れと手動対応を解消 EDR、SIEM、SOAR統合で注意すべきポイント4選
-
10
大阪証券取引所がHiRDBで実現した「世界トップレベルの応答速度」を誇る新売買システム
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー