IoT時代の大規模情報流出対策
端末ベースの対策はもう古い DropboxやBoxと連係して使えるセキュリティ対策
IT部門は端末にロックを掛けることができるが、BYODと大規模情報流出の時代では、こうした対策は通用しなくなってきている。そこで、注目されているのがファイル単位の暗号化だ。
モバイル情報セキュリティ対策では、IT部門が端末にロックをかけることができる他、深い階層のファイルを暗号化することで重要な情報の不正利用を防ぐこともできる。
米新興企業のVera(旧Veradocs)は最近、社名と同じ名称のモバイルセキュリティ製品で頭角を現した。同製品は、ファイル単位での暗号化アプローチを採用し、データがどこにあっても保護できる。
Veraを使うことでIT部門は会社のデータ管理を強化できる。Veraは下記のシステムと連係可能だ。
- Google Drive
- Box
- Dropbox
- Office 365とMicrosoft Outlook、OneDriveを含む米Microsoftのシステム
データ流出防止(DLP)ポリシーはファイル単位で組み込まれて、データとともに移動する。アクセスが許可されていないユーザーがデータへのアクセスをリクエストすることはできても、アクセス許可はファイル管理者にしかできない。
Veraは企業のデータやファイル、暗号鍵を保存することもしなければ、データをプロキシすることもしない。
「IoT(モノのインターネット)によって計測できないほど大量のデータが生成されるようになれば、ベンダーやアプリケーションを横断するセキュリティ基盤を持つことが不可欠になる」とカナダのConstellation Researchのアナリスト兼副社長、アラン・レポフスキー氏は指摘する。
Veraの共同創業者であるアジャイ・アロラ最高経営責任者(CEO)とプラカシ・リンガ最高技術責任者(CTO)が先に創設したモバイルセキュリティ企業の米RAPsphereは、2012年に米AppSenseに買収された。
私物端末の業務利用(BYOD)と大規模情報流出の時代に差し掛かっている今、IT部門は会社の重要な情報が不正利用されるかもしれないという現実と向き合わなければならない。そうした中、端末ベースのセキュリティ対策は、データのセキュリティ対策と同様、通用しないとアロラ氏は話す。
人材紹介会社、モバイル情報セキュリティにVeraを利用
IT業界のヘッドハンティングを手掛ける米Jivaro Professional Headhunters(以下、Jivaro)は、情報流出が避けられない状況をどうにかしたいと考えていた。そのため、顧客の履歴書が競合他社に盗まれるのを防ぐための製品を探していた。これは同社にとって重大な問題だと、JivaroのCEO ロン・ハリソン氏は説明する。
Jivaroは採用担当者に履歴書を送っているが、その担当者がJivaroの知らないうちに履歴書を別の企業の担当者に送ってしまうことがある。だが、Jivaroがひそかに人材を紹介している多くの企業は、採用情報や履歴書などの情報を守りたいと当然、考えている。
ハリソン氏によると、Veraとの関係は人材紹介を通じて始まった。それが発展してJivaroの経営陣がVeraを使用するようになった。
「Jivaroにとってユーザーエクスペリエンスも重要な要素だった。簡単に使えるものでなければ無視されてしまう。使いにくいものは望まなかった」(ハリソン氏)
Jivaroでは主に、Microsoft Outlookのメール環境とカナダのMaxHire Solutions(米Bullhornが買収)の顧客関係管理(CRM)システムを通じてVeraを使っている。従業員は社内でGoogle Driveも使用していて、Veraのセキュリティ対策が実装されたファイルを保存している。
「私たちは安全だと分かっているファイルを、どこでもドラッグ&ドロップ操作でファイル移動できる」とハリソン氏。
Jivaroが使っていたのはまだβ版だったため、幾つかマイナーなバグや使い勝手の問題はあったが、Veraはそうした問題に迅速に対応したという。Jivaroは給与や税務情報、確定申告用明細などのバックオフィスのシステムにもVeraを導入する計画だ。
ファイル単位の暗号化オプション
こうした事業を手掛けているのはVeraだけにとどまらない。米SearchYourCloudのような独立系ベンダーから、米MobileIronの「MobileIron Content Security Service」などのエンタープライズモバイル管理(EMM)プラットフォームに至るまで、ファイルレベルの暗号化を提供するサービスは市場全体で登場している。
また、DropboxやBoxのビジネス版にはエンタープライズセキュリティ機能がある。そうした機能にどう対応するかがVeraにとっての課題になるとConstellation Researchのレポフスキー氏は言う。「ファイル共有ベンダーは個々に独自のセキュリティ層を宣伝している。Veraはそうした機能にどこで対抗し、あるいは補完するのか。顧客はそのために進んで出費してくれるのか」と同氏は問い掛ける。
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