「cybozu.com カンファレンス 2015 東京」事例リポート
業務を年間1万時間効率化、サイバーエージェント他2社のkintone活用法(1/2 ページ)
クラウド型業務アプリケーション開発プラットフォーム「kintone」の国内での利用が加速している。サイバーエージェント、NKアグリ、中島工業の3社の事例をリポートする。
「業務アプリをもっと安価、かつ簡単に開発できないか」――IT担当者のこうした要望に応えるべく、サイボウズが2011年11月にサービスを開始したクラウド型業務アプリケーション開発プラットフォーム「kintone on cybozu.com」(以下、kintone)が快走を続けている。国内での有償契約社数は2015年4月に2500社、同年10月には3000社に到達した。
サイボウズ kintone プロダクトマネージャー 伊佐政隆氏は、2015年11月に開催された「cybozu.com カンファレンス 2015 東京」で、「業務革新のアイデアを実現する手段として、kintoneが選ばれるケースが増えている」と述べる。kintoneは、プログラミングを伴うことなくマウス操作だけで開発ができ、ITの知識に乏しい現場部門でも利用が可能だ。また、豊富なAPIによる拡張性、二要素認証で高いセキュリティを確保していることも特徴である。さらに、モバイル端末用の画面が自動生成されるため、社外向けアプリの開発も容易だ。
サイボウズでは、草の根のイノベーション創出を支援するため、kintone導入ユーザー向けイベント「kintone hive」を開催している。2015年10月に開催した同イベントでは、優れた活用事例を表彰する「kintone AWARD 2015」の最終選考に残った企業を発表した。今回は、cybozu.com カンファレンス 2015 東京の講演の中から、サイバーエージェントとNKアグリ、グランプリに輝いた中島工業の取り組みをリポートする。
サイバーエージェント:管理部門の業務を年間1万時間も効率化
インターネット広告やゲーム、ブログサービスなどの事業を行うサイバーエージェント。同社は現在、人事や経理、法務といった管理業務向けシステムをkintoneによってシステム化している。
同社では事業拡大のために関連会社を設立する方針を掲げている。その数は現在約70社に及び、毎年約20社を新設している。それらの管理業務はサイバーエージェント本体が一手に担う。そこでの課題は、関連会社が増えるほど管理部門の負荷も増大することだ。とりわけ影響が大きいのが経理部門である。関連会社が急成長した場合は経理処理が追いつかないこともあり、決算の早期化を推進する同社にとって看過できない問題となっていた。一方で、会社新設のたびに新たな業務プロセスを一から設計していたことも、業務負荷を高める一因となっていた。
この状況を打開するため、kintoneで構築したのが業務管理システム「DOX」である。DOXでは、「広告代理店向け販売管理アプリ」「ゲーム事業実績管理アプリ」「メディア事業実績管理アプリ」など業態に合せた実績管理アプリケーションの他、全社共通の「購買管理アプリ」「内部管理アプリ」を用意している。サイバーエージェントで内部監査室に勤務する鹿倉良太氏は、「これらの業態向けアプリと業務ごとに必要なアプリを組み合わせることで、新会社設立に伴うバックエンドの仕組みを整備することが可能になった」と述べる。
懸案だった経理部門の業務負荷も、他システムとの連係による集計の自動化によって大幅な軽減を図った。広告代理店向けアプリでは、業務で利用する「Google スプレッドシート」との連係によって、請求データや仕訳データの自動出力を実現した。また、ゲーム事業向けアプリやメディア事業向けアプリでも、「App Store」などの決済プラットフォームからETLツールでデータを取得し、事業サイドの基幹システムと連係することによって、債権債務残高や仕訳データの自動出力が可能となった。
DOXによって「年間で1万時間分の効率化を達成できた」と鹿倉氏。「現場に余裕が生まれ、オフィスに明るさが戻った」という。
もっとも、DOXの最終目標である「ボタン1つでの決算完了」まではまだ道半ば。だが、kintoneの特性を生かした短期改修の繰り返しによって、達成もそう遠い話ではないと話す。
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