2018年05月11日 16時00分 公開
特集/連載

野村総合研究所の調査よりデジタル変革に成功する企業の「3つの条件」とは?

野村総合研究所は「ユーザー企業のIT活用実態調査」結果を発表。デジタル化による価値創出を実現する企業の体制や、組織風土に関わる課題、IT投資が業績に結び付いている企業の条件を明らかにした。

[石川俊明,TechTargetジャパン]

 野村総合研究所は2018年5月8日、「ユーザー企業のIT活用実態調査」結果を発表した。対象は、国内に本社を持つ、売上高上位企業3000社の中から回答があった507社。日本企業のIT活用力の実態を把握し、その向上の在り方を提言することを目指し、IT投資の現状や課題について2003年から定点観測を実施している。

 直近の調査実施は2017年11月。回答企業の業種、売上規模は以下の通り。

業種

  • 機械製造(14%)
  • 素材・他製造(22%)
  • 建設(8%)
  • 流通(17%)
  • 金融(14%)
  • 運輸・通信・インフラ(8%)
  • 情報サービス(6%)
  • その他(11%)

売上規模

  • 100億円未満(15%)
  • 100億円以上(45%)
  • 1000億円以上(28%)
  • 1兆円以上(9%)
  • 不明(3%)

 この調査を基に同社は、デジタル化による価値創出を実現する企業の体制や、組織風土に関わる課題、IT投資が業績に結び付いている企業の条件を考察した。同日に開催したセミナーから、その内容をかいつまんで紹介する。

日本企業のIT投資は堅調に推移、「効率化」に関心集まる

 野村総合研究所のシステムコンサルティング事業本部で戦略IT研究室に務める有賀友紀氏は、今回の調査における論点について、次の3つを挙げた。

  • デジタル化(注1)の流れの中で、日本企業はより積極的にITに投資しているか
  • デジタル化にかかる新技術の活用を、CIO(最高情報責任者)やIT部門は積極的に検討、推進しているか
  • 組織や体制はデジタル技術から新しい価値を生み出すために十分か

※注1:本調査では、情報技術を使った商品・サービスの改善や創造、ビジネスモデルの変革や創造、新しい情報技術の活用などの取り組みを「デジタル化」と定義している。

 2018年度のIT投資額は、前年度比較で「増加」と予想した企業は44.3%、「減少」と予想した企業は10.0%だった。投資額増加を見込んでいる企業の割合は、2008年リーマンショック以降の調査において最も高い結果となり、有賀氏は「堅調な推移が続いている」と考察する。

 新技術への取り組みについては、クラウド関連技術は約半数の企業が導入していたものの、モノのインターネット(IoT)の導入率は11.6%、人工知能(AI)および機械学習の導入率は8.9%だった。導入を検討中/検討したい企業の割合は、IoTで54.9%、AIおよび機械学習で58.0%だった。

 AIや機械学習、IoTといった新技術に、企業はどのような期待を寄せているのだろうか。自由回答欄に回答があった68社のキーワードごとの言及割合を計測すると、上位3つは、「AI」が44.1%、「ロボティックプロセスオートメーション(RPA)」が27.9%、「IoT」が23.5%だった。内容の一部抜粋によれば、「人手不足を補う目的でAIを活用」「人手不足に対応したRPA、bot、AIの活用」など、業務の効率化や自動化を実現し、人手を代替する道具として注目が集まっていることが明らかとなった。

 「調査実施に当たり、AIで新たな商品価値を高めるといったことや、新たな事業を創造するという回答を予想していたが、実際は効率化に言及した回答が多かった印象だ」と有賀氏は述べた。

デジタル化に向けた経営層の取り組みの現状は

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