2018年07月20日 08時00分 公開
特集/連載

QLC対SLC、MLC、TLC容量2倍でも手放しで喜べないQLC NANDフラッシュ

QLC NANDフラッシュ製品がついに登場した。TLCの2倍の記憶密度を誇るQLCは、フラッシュストレージの大容量化に貢献するはずだ。にもかかわらず、その用途が限定されるのはなぜか。

[Antony Adshead,Computer Weekly]

 Micronは最近、ただでさえ頭字語が氾濫しているNANDフラッシュストレージ市場に、また新たな用語を持ち込んだ。初のQLC(Quad Level Cell)フラッシュ製品を投入したのだ。Intelも2018年後半にQLCフラッシュ製品を発売する計画だ。

Computer Weekly日本語版 7月18日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 7月18日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 QLC、つまり4層セルは、SLC(Single Level Cell:1セル当たり1bit)に始まりMLC(Multiple Level Cell:1セル当たり2bit)そしてTLC(Triple Level Cell:1セル当たり3bit)と進化してきたフラッシュの最新世代だ。

 そもそもQLCとはどのようなものなのか。また、フラッシュストレージ市場において、QLCはどのような意味を持つのか。

 その名が示す通り、QLCはフラッシュセル1個当たり4つの0または1の状態を取ることができる。つまり、セル1個で16通りの異なる組み合わせを表現できる。その組み合わせを全て列挙すると、0000、0001、0010、0011、0100、0101、0110、0111、1000、1001、1010、1011、1100、1101、1110、1111だ。

 SLCは0か1かの2通り。MLCとTLCはそれぞれ4通りと8通りの状態を表現できる。よって、QLCのストレージ密度はTLCの2倍になる。これは軽視できない。

 その一方で短所も存在する。QLCは既存の世代のフラッシュよりも多くのデータを格納できるが、書き込み時の消耗が非常に激しい。

 そこでQLCはそう何度も書き換えることができない媒体になる点に、ここで少し目を向けて考えよう。これは、フラッシュストレージが異なる物理層間の電圧の流れを読み取ることに基づいており、実際の電圧の流れは量子物理学のレベルで説明できるためだ。

 一般論として、QLCは非常に狭いスペースでスイッチングと測定を行わなければならない。これは消耗による悪影響を受けるためで、電圧の読み取りの確実性が著しく下がる。従ってフラッシュに一度書き込むと、特にQLCの場合は、データの書き込み能力が文字通り失われて、データを書き換えられなくなる。

 MicronはQLCを採用した「5210 ION SSD」の性能について、それ自体の数値は公表していないが、TLCを採用した同社の「5200 ECO SSD」との性能比を発表している。例えば、ランダム読み取りは9万5000IOPSの0.8〜1倍、シーケンシャル書き込みのパフォーマンスは520MBpsの0.6〜0.8倍だ。

 ランダム書き込みのパフォーマンスは、2万2000IOPSの0.25倍だという。つまり約6500IOPSということになる。それでも従来のHDDに比べれば格段に速い。昔のHDDは1台当たり200IOPS前後の性能だったのだから。

 しかし、QLCドライブの泣きどころは読み書きの速度ではない。

ITmedia マーケティング新着記事

news018.jpg

ミレニアル世代の85%が動画視聴後に購入の意思決定――Brightcove調査
動画コンテンツは購入の意思決定にどう影響しているのでしょうか。

news082.jpg

統計家・西内 啓氏が語る「エビデンス」の力
統計学ブームに火を付けた西内 啓氏が、「エビデンス」に基づく意思決定の重要性について...

news042.jpg

電通テックとトライベック・ストラテジー、「クイックデジマ」を共同で販売開始
デジタルマーケティング施策を実施する上で必要最低限の機能をパッケージ化し、低価格で...