ストレージクラスメモリは高速かつ不揮発性という特徴があるが、まだ高価で容量は少ない。どのような使い方がベストなのか。ストレージクラスメモリの特性とサプライヤーの製品戦略を見てみよう。
前編(Computer Weekly日本語版 6月20日号掲載)では、3種類(Z-NAND、3D XPoint、MRAM)のストレージクラスメモリ(SCM)について解説した。
後編では、SCMをシステムにどのように適用するのか、どのような効果が得られるのかを解説し、SCMサプライヤーとその製品を紹介する。
メディアの選択肢が増えたことで、ユーザーもアプライアンスのサプライヤーも、幅広い展開オプションを利用できるようになった。
より高価で容量が小さい製品は、ホストまたはストレージアレイのキャッシュとして使用する機能を提供する。SCMをキャッシュとして使う場合、単にDRAMを使用する場合に比べて永続性という利点が加わる。これらの製品はNANDフラッシュに比べて耐久性に優れているため、書き込みキャッシュやアクティブなデータを格納するティア(層)として配置するのに適している。
ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)ソリューションは、各ホストに展開される低レイテンシの永続メモリの利点を生かすことができる。PCIeバスまたはメモリバスに永続ストレージを配置すると、入出力(I/O)レイテンシが大幅に減少する。しかしこの方式はまた、ストレージスタックの効率の悪さが露呈するリスクがあるため、サプライヤーは問題を迅速に特定し、それを解決したいと考えている。
DatriumやNetAppなどが発売している分散型HCIソリューションでは、パフォーマンスが大幅に向上するだろう。どちらの場合も、アーキテクチャは各ホストのローカルキャッシュを備えた共有ストレージ上に構築される。NANDフラッシュで高いパフォーマンスが実現するが、Optaneなどの製品を使用して永続的なキャッシュを配置し、高い耐障害性(レジリエンス)も同時に(キャッシュのウォームアップ時間を減らすことで)実現している。Optaneのような高速なメディアを採用した分散型ストレージソリューションも登場し始めている。そうした製品を以下にまとめたので1つずつ見ていこう。
従来のオールフラッシュアレイに、ここで挙げる高速なストレージ製品が採用され、広く普及するとは考えにくい。ストレージネットワークはオーバーヘッドがあまりにも大きいし、共有コントローラーモデルではスループット(の高さ)とレイテンシ(の低さ)を十分に生かせない。また、ここでは価格も比較要素の1つとして加えている。
一方、サプライヤーがストレージデバイス全体のパフォーマンスを一段上のレベルに引き上げるため、こうした高速なSCMを採用したティアをストレージに追加することは期待できる。高速ストレージを追加することでパフォーマンスの大幅な改善が実現した場合、悩みどころは、期待できる効果に対してそれだけの費用をかけるのが妥当かどうかということになる。
今回取り上げている、新たなストレージシステムを搭載した製品を発売しているのはどのメーカーなのか。
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