SSDは通過点にすぎず、ストレージはさらなるパフォーマンス向上を求められている。NVMeを通して見えてきた次世代技術であるストレージクラスメモリ、不揮発性DIMMについて解説する。
DRAMの速度はナノ秒単位だが、揮発性であり非永続的だ。一方、「Intel Optane」に代表される3D XPoint SSDなどの不揮発性ストレージは、現状最高速のものでもDRAMより1桁遅い。だが、永続メモリは必要だ。そこで、永続メモリを可能な限り高い効率でプロセッサに接続しながら、メモリにデータを保存する必要性を最小限に抑えるにはどうすればよいだろう。
現時点で、業界には有り余るほどのストレージメディアがある。NANDフラッシュストレージは急増しており、パフォーマンス要件を全て満たす、手頃な価格の機器もある。
現時点のNANDフラッシュストレージは、MLC(Multi Level Cell)、TLC(Triple Level Cell)、QLC(Quad Level Cell)という3種類のいずれかを使用して構築されている。これらのメディアによって容量は増えるが、耐久性やパフォーマンスはやや低くなる。多少範囲はあるものの、アクセス時間は10マイクロ秒以内だ。
NANDはHDDより数十倍から数百倍高速で、価格も徐々に下がっている。フラッシュストレージアレイに移行したり、ローカルフラッシュストレージを使用したりするだけで、パフォーマンスは大幅に向上する。
フラッシュは優れている。だが、現在主流のSASやSATAを用いると、そのプロトコル固有の効率の低さがネックになる。それは、SATAがATAPI、SASがSCSIという具合に、HDDを前提に設計されているためだ。いずれもキュー処理の制限や並列化の欠如から、NANDのパフォーマンスを完全に引き出すことはできない。
この解決策が、NVMeという新しいプロトコルだ。NVMeはソフトウェアの改善によりプロトコルのオーバーヘッドを抑え、機器をPCIeバスに直接接続する。並列入出力(I/O)は、最大64K(6万5535個)のキューと、キュー当たり64K個のコマンドに強化されている。
NVMeフラッシュ機器のレイテンシはSAS/SATA機器と変わらないと考えられる。ただし、NVMeのスループットそのもののIOPS値は約10倍に改善される。サーバやストレージアレイはNVMeをサポートする必要がある。サポートするメリットは大きい。
NVMeは、ストレージクラスメモリ(SCM)として知られる新たな技術を実現する。
続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
データ環境の急変は、企業のストレージ課題を複雑化させている。性能や拡張性、データ保護、分散環境の一元管理、コスト最適化など、自社の課題に合わせた製品・サービスをどう見つければよいのか。それに役立つ製品ガイドを紹介したい。
フラッシュアレイ導入を検討する際、既存のリモートストレージデバイスからのデータインポートは気になる点の1つだ。そこで本資料では、最小限のダウンタイムでデータ移行できるフラッシュアレイ/ハイブリッドアレイ製品を紹介する。
近年、企業に蓄積されるデータが爆発的に増加しており、新たなストレージシステムへのニーズが高まっている。そこで、中小規模のニーズをカバーする、フルSSDおよびSSD/HDDハイブリッドのシンプルなブロックストレージを紹介する。
近年のSANストレージには、データの保護と可用性を確保することが求められている。そこで登場したのが、SAN専用のオールフラッシュアレイだ。本資料では、99.9999%を超える高可用性を実現する同ストレージの実力を紹介する。
ビジネスの成否を左右する要素として、データの重要性がかつてないほど高まっている。これに伴い、データ基盤としてのストレージの役割も一層注目されている。本資料では、多様かつ高度なニーズに応え得るストレージ製品の特徴を紹介する。
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...