ビッグデータは、大量かつ多様なデータと、そのデータを高速で収集、処理、分析するための技術を指す。ビッグデータには構造化データと半構造化データ、非構造化データが含まれ、これらは機械学習や予測モデル、その他の高度なデータ分析アプリケーションで使用される。
2016年米大統領選挙の予想外の結果は、携帯電話しか持たない世帯が主流になった時代における世論調査の在り方に多くの疑問を投げ掛けた。
「Watson」の応用進展やビッグデータ活用の普及など、動きが激しいデータ分析市場。2016年の分析市場はどのように動くのだろうか。
“データマネタイゼーション”は新たなゴールドラッシュを巻き起こすのだろうか。CEOと取締役会はそのように考えており、CIOに一獲千金の期待を寄せている。
モバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドで構成される、いわゆる「第3のプラットフォーム」が台頭している。その関連スキルを備えた人材の確保が、企業での喫緊の課題となっているようだ。
企業はビッグデータをシステムに組み込むことで、業務効率を向上させたり、より良い顧客サービスを提供したり、顧客一人一人にパーソナライズした販促キャンペーンを実行したりできる。
ビッグデータを効果的に利用する企業は、事業判断のスピードと正確性を向上させて、競争力を高められる可能性がある。例えばビッグデータは、顧客に関する貴重な洞察を提供する。こうした洞察は企業のマーケティング活動を洗練させて、顧客の満足度を向上させるために利用できる。過去のデータとリアルタイムのデータの両方を分析することで、消費者や顧客企業の需要の変化を評価して、すぐにその需要に合わせられるようになる。
医師は疾患の兆候とリスクを特定したり、診断を補助したりするためにビッグデータを利用できる。感染症対策にも有用だ。医療機関や電子健康記録やソーシャルメディア、Webサイト、その他の情報源からのデータを収集して組み合わせて分析することで、感染症の発生状況や患者者数の予測ができる。
他にもさまざまな業界でビッグデータが使われている。
ビッグデータは、取引処理システムや顧客データベース、電子メール、医療記録、インターネットのクリックログ、モバイルアプリケーション、ソーシャルネットワークなど、さまざまなデータ源から生じる。テキスト形式のデータに加えて画像や動画、オーディオファイルもまた、ビッグデータの形態だ。
ネットワークやサーバのログファイル、製造機械、IoT(モノとインターネット)デバイスからのセンサーデータなど、機械が生成するデータもビッグデータに含まれる。組織の業務システムが取得したデータに加えて、金融市場や気象、交通状況などに関する統計データや地理情報、科学研究など、組織外から取得したデータをビッグデータとして扱うこともある。
ビッグデータを表す3つのVという概念がある。3つのVは、それぞれ以下の意味を持つ。
3つのVは2001年に調査会社META Groupのアナリストだったダグ・ラニー氏が提唱した。最近ではデータの正しさ(Veracity)や価値(Value)、変動性(Variability)など、他のVを追加して、ビッグデータについて説明することもある。これらのVには以下の意味合いがある。