プログラミング言語および開発・実行環境の「Java」は、GoogleのスマートフォンOS「Android」やエッジ(データの発生源)デバイス、IoT(モノのインターネット)用のアプリケーション開発などに広く利用されている。(続きはページの末尾にあります)
プロセッサアーキテクチャの多様化が進む中、「Java」が再評価されている。ARM64アーキテクチャの台頭とx86サーバの限界がもたらす技術選択の転換点、AIモデル用のインフラにおけるプログラミング言語選定の新たな視点を解説する。
AI技術活用を進める上で、アプリケーション開発において「Python」よりも「Java」を採用する企業が多いという調査結果がある。なぜ企業はJavaを選ぶのか。その背景には、企業のIT活用特有の事情がある。
他のプログラミング言語に慣れ親しんでいる開発者の目に、「Java」はどう映るのか。Javaを初めて使ったときに感じる可能性がある、「Python」「JavaScript」との違いと共通点を取り上げる。
Oracleから「Java EE」を譲り受けたEclipse Foundationが、2019年9月にJava EEの互換版「Jakarta EE」をリリースした。その詳細や今後の開発方針を関係者に聞いた。
Javaはプログラミング言語「C++」に似た使用感の、オブジェクト指向のプログラミング言語だ。Javaを使えば、1台のPCで実行するアプリケーションだけではなく、ネットワーク内の複数のサーバとクライアントデバイスでデータを分散処理するアプリケーションも開発できる。Webページの構成要素となる小さなアプリケーション「アプレット」の開発にも使用可能だ。
主にJavaには、以下の5つの特徴がある。
Javaは実行環境として「Java仮想マシン」(JVM)を利用する。JVMは、Javaソースコードを「バイトコード」という中間プログラムに変換する。バイトコードは、JVMをインストールしたインフラであれば、サーバとクライアントデバイスを問わず実行可能だ。JVMは、バイトコードをインストール先のOSで実行可能なプログラムに変換する。
プログラミング言語「COBOL」やC++はJavaとは違い、ソースコードをOS固有のバイナリファイルに変換する。そのためMicrosoftのクライアントOS「Windows」を搭載するPC向けに開発したプログラムは、Appleのクライアントデバイス「Mac」や、オープンソースOS「Linux」搭載のサーバ、IBM製メインフレームでは基本的に実行できない。
オブジェクト指向プログラミングとは、プログラムを「オブジェクト」という小さな単位に分割し、オブジェクト同士の関係を定義しながら開発を進める手法だ。Javaはオブジェクト指向プログラミングのためのプログラミング言語として構築されている。
同じオブジェクト指向プログラミング言語であるC++とは違い、Javaでは、メモリのアドレスを直接指定する「ポインタ」によるデータの操作はできない。ポインタによるデータ操作は、しばしばプログラムがクラッシュする原因になる。
Javaのバイトコードは、人は容易に判読できない。Javaにはプログラムをサンドボックス(隔離環境)内で実行する仕組みがあり、プログラムの意図しない変更を防ぐ。こうした工夫により、Javaはプログラムの安全性を確保している。
C++に似た構文を持つJavaは、特にプログラミング言語「C」の知識がある開発者にとって、比較的習得が容易だ。
Javaと名前がよく似たプログラミング言語に、スクリプト言語の「JavaScript」がある。JavaとJavaScriptに関連性があるというのはよくある誤解だ。JavaとJavaScriptの構文は似ているものの、適した用途や動作環境が異なる。