「オンプレミス」の仕組みやメリット、課題とは?

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「オンプレミス回帰」(脱クラウド)とは

 近年、中堅・中小企業から大企業に至るまで、アプリケーションの実行やデータの保存といったITタスク実行のためにクラウドサービスに目が向けられてきた。時間の経過とともに、企業はクラウドサービスに預けた資産の一部または全てをクラウドサービスから外す選択をする可能性がある。例としてパブリッククラウド(インフラリソース共有型クラウドサービス)内の仮想サーバをシャットダウンし、関連するソフトウェアとデータをオンプレミスのデータセンターまたはコロケーション施設に移動することが挙げられる。これを「オンプレミス回帰」(または「脱クラウド」)と呼ぶ。(続きはページの末尾にあります)

オンプレミス関連の技術解説

生成AI普及の今、なぜ「エッジ」が注目なのか? 3つの活用パターンから考える

生成AIやIoTの普及を背景に、「エッジコンピューティング」の必要性が高まっています。改めてエッジコンピューティングが重要になる理由と、利用形態などの基本を解説します。

(2025/8/25)

「オンプレミス回帰」はなぜ起きる? 企業がまず知るべきだった問題

クラウドストレージに移行したデータやアプリケーションをオンプレミスのストレージに戻してしまう「オンプレミス回帰」を選ぶ企業には、さまざまな理由がある。物理的、ビジネス的な観点において、何が足りなかったのか。

(2023/11/13)

企業が「オンプレミス回帰」をせざるを得ない“合理的な理由”

オンプレミスのストレージからクラウドストレージに移行しても、思っていたよりもメリットを感じられない場合がある。なぜ「オンプレミス回帰」が起きるのか。最初に検討すべき観点から考える。

(2023/11/6)

脱クラウドに踏み切ったのにクラウドを使い続ける駐車場会社の言い分

クラウドサービスからオンプレミスインフラにシステムを戻す「脱クラウド」を決断した、空港駐車場サービスのPark 'N Fly。同社は一部のシステムをクラウドサービスで稼働させ続けるという。その理由とは。

(2023/7/12)

クラウドをやめてオンプレミス回帰する「脱クラウド」は日本で広がるのか

企業ITにとって欠かせない存在になったクラウド。運用管理の効率化などさまざまな利点があるが、使い方を間違えると「オンプレミスの方が良かった」という結果になる。そこで生まれる選択肢が「脱クラウド」だ。

(2020/2/5)

オンプレミス、ホスティング……従来型インフラのメリット/デメリットをおさらい

多様なITインフラ形態が存在する中で、どれを選べばいいのか。特にクラウドの登場によって、ITインフラの選定基準は大きく変わろうとしている。前編では、オンプレミス、ハウジング、ホスティングを比較する。

(2013/5/28)

オンプレミス回帰の理由はさまざま

 オンプレミス回帰のプロセスでは、クラウドサービスのユーザー企業やシステムインテグレーター(SIer)がクラウドベンダーと協力して、ユーザー企業のアプリケーションとデータを抽出する。この作業にはデータの検索と、クラウドベンダーのインフラにおけるアプリケーションの依存関係マッピングを含む。

 パブリッククラウドの場合、オンプレミス回帰はより複雑なプロセスになりがちだ。ユーザー企業はパブリッククラウドからオンプレミスインフラへアプリケーションとデータを移行させる際、クラウドベンダーが事前にスケジュールしたダウンタイム(システム停止)を待たなければならない可能性がある。クラウドベンダーは、他のユーザー企業が運用するアプリケーションの処理速度や応答速度といったパフォーマンスを妨げないように、オンプレミスインフラへの移行ツールの使用を制限しなければならない場合がある。

 ユーザー企業がオンプレミス回帰に踏み切る理由は幾つかある。セキュリティの問題、ユーザー企業とクラウドベンダーで責任を分担する「責任共有モデル」への懸念、クラウドサービスのアプリケーションをオンプレミスのアプリケーションおよびデータと連携することの難しさなどだ。

 クラウドサービスの投資対効果(ROI)が期待を下回る点も、オンプレミス回帰の決定に影響を与えている。これまでのオンプレミス回帰事例は、コストを気にする企業が、経済的により良い選択として、アプリケーションをオンプレミスの「HCI」(ハイパーコンバージドインフラ)に移動することを選択する可能性があることを示唆している。