クラウドサービスからオンプレミスインフラにシステムを戻す「脱クラウド」を決断した、空港駐車場サービスのPark 'N Fly。同社は一部のシステムをクラウドサービスで稼働させ続けるという。その理由とは。
米国の空港駐車場サービス会社Park 'N Flyは、クラウドサービスをやめてオンプレミスインフラに回帰する「脱クラウド」に踏み切った。実は厳密には、全てのインフラリソースをオンプレミスインフラに戻したわけではない。一部のシステムのインフラには、クラウドサービスを使い続けるという。その意図とは。
2022年にPark 'N Flyは、インフラリソースの半分をクラウドサービスからオンプレミスインフラに戻した。CTO(最高技術責任者)でITシニアディレクターのケン・シルマッハー氏によると、同社はさらに、インフラリソース全体の25%をオンプレミスインフラに戻す可能性がある。
Park 'N Flyは脱クラウドを進めながらも、メールサービスなどの一部システムをクラウドサービスに残している。オンプレミスインフラのシステムをバックアップする待機システムにもクラウドサービスを利用し、障害発生時のフェイルオーバー(待機システムへの自動切り替え)を実行できるようにした。
脱クラウドを進めながら、適材適所でクラウドサービスを使い続ける背景には、Park 'N Flyの企業文化があるという。同社の企業文化を示す例としてシルマッハー氏が挙げるのは、働き方だ。
Park 'N Flyは従業員にテレワークを認めると同時に、決められた日時はオフィスに出社するよう求めている。「こうすることで、従業員がどこで働いていても、特定の日は一緒に働いている人に会え、仲間意識が持てる」とシルマッハー氏は語る。
「働き方にせよ、情報システムにせよ、1つの方法に依存することは良くない」とシルマッハー氏は指摘。「さまざまな手法を少しずつやるのがベストだ」と強調する。
第4回は、クラウドサービスのコスト削減のために、複数ベンダーのクラウドサービスを組み合わせる「マルチクラウド」を採用した保険会社の事例を取り上げる。
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