脱クラウドに踏み切ったのにクラウドを使い続ける駐車場会社の言い分脱クラウドだけじゃない「クラウドコスト問題」の対処法【第3回】

クラウドサービスからオンプレミスインフラにシステムを戻す「脱クラウド」を決断した、空港駐車場サービスのPark 'N Fly。同社は一部のシステムをクラウドサービスで稼働させ続けるという。その理由とは。

2023年07月12日 08時15分 公開
[Beth PariseauTechTarget]

 米国の空港駐車場サービス会社Park 'N Flyは、クラウドサービスをやめてオンプレミスインフラに回帰する「脱クラウド」に踏み切った。実は厳密には、全てのインフラリソースをオンプレミスインフラに戻したわけではない。一部のシステムのインフラには、クラウドサービスを使い続けるという。その意図とは。

“脱クラウド”してもクラウドを使い続ける“思想的理由”

 2022年にPark 'N Flyは、インフラリソースの半分をクラウドサービスからオンプレミスインフラに戻した。CTO(最高技術責任者)でITシニアディレクターのケン・シルマッハー氏によると、同社はさらに、インフラリソース全体の25%をオンプレミスインフラに戻す可能性がある。

 Park 'N Flyは脱クラウドを進めながらも、メールサービスなどの一部システムをクラウドサービスに残している。オンプレミスインフラのシステムをバックアップする待機システムにもクラウドサービスを利用し、障害発生時のフェイルオーバー(待機システムへの自動切り替え)を実行できるようにした。

 脱クラウドを進めながら、適材適所でクラウドサービスを使い続ける背景には、Park 'N Flyの企業文化があるという。同社の企業文化を示す例としてシルマッハー氏が挙げるのは、働き方だ。

 Park 'N Flyは従業員にテレワークを認めると同時に、決められた日時はオフィスに出社するよう求めている。「こうすることで、従業員がどこで働いていても、特定の日は一緒に働いている人に会え、仲間意識が持てる」とシルマッハー氏は語る。

 「働き方にせよ、情報システムにせよ、1つの方法に依存することは良くない」とシルマッハー氏は指摘。「さまざまな手法を少しずつやるのがベストだ」と強調する。


 第4回は、クラウドサービスのコスト削減のために、複数ベンダーのクラウドサービスを組み合わせる「マルチクラウド」を採用した保険会社の事例を取り上げる。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news076.jpg

オラクルが広告事業から撤退へ ポストCookie時代の業界地図は変わるか?
Oracleは「Responsys」「Moat」「BlueKai」などの買収を重ねて広告部門を構築してきた。...

news068.jpg

琉球泡盛「残波」「海乃邦」の海外展開を例に考える日本のブランドが持つべき視点
日本のブランドが海外展開で持つべき視点とはどのようなものか。2024年4月にI&CO APAC代...

news131.jpg

メッシやベリンガム、ヴィルツも登場 アディダスが世界で展開する豪華過ぎるサッカー推しキャンペーンの中身
Adidasが夏のサッカーシーズンに向けて新キャンペーンを世界各地で展開する。デビッド・...