「クラウドファースト」を採用する場合、クラウドサービスのメリットだけではなくリスクにも留意する必要がある。クラウドサービスが抱える主なリスクと、その解決策を説明する。
「クラウドファースト」は、システムのインフラとしてクラウドサービスを優先的に採用するIT戦略だ。クラウドサービスの利用を前提としてシステムを構築することで、ユーザー企業はクラウドサービスのメリットを享受しやすくなる。
常にクラウドファーストが適切なわけではない。既存システムにしても、新規システムにしても、インフラとしてクラウドサービスを利用する場合には、さまざまなリスクがあるからだ。どのようなリスクなのか。クラウドファーストを採用する前に把握すべき、クラウドサービスの主要なリスク3つを整理する。
クラウドベンダーは、サーバやストレージといった汎用(はんよう)的な用途のクラウドサービスだけを提供しているわけではない。例えばクラウドベンダーは、自社が提供するクラウドサービスを生かしたシステムを開発しやすくするために、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を提供している。
開発者はクラウドベンダーが提供するAPIを使用することで、システムを迅速に開発できるようになる。一方でこうしたAPIを使用して開発したシステムは、他のクラウドサービスやインフラに移植する場合に、大幅なソースコードの書き換えが必要になることがある。つまり特定ベンダーの技術に依存し、他の選択肢を採用しにくくなる「ベンダーロックイン」が発生するのだ。
システムの移植をしやすくするには、Red HatやVMwareが提供するコンテナ管理製品やサーバ仮想化製品を利用して、インフラを抽象化するとよい。これらの製品は、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoftなど、さまざまなベンダーのIaaS(Infrastructure as a Service)で実行できる。
後編は、残る2つのリスクである「コスト」「セキュリティ」のリスクと、これらのリスクの影響を小さくする方法を説明する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
ブランドリスクの要因は「トランプ大統領」 どうするCMO――2025年のマーケティング予測10選【後編】
2025年はCMOの役割と課題が大きく変化すると予想される。具体的には何が起こるのか。「Ma...
AIはGoogleの地位を揺るがしているのか? Domoが年次レポートを公開
Domoの年次レポート「Data Never Sleeps」は、インターネット上で1分間ごとに起きている...
3500ブランドの市場・生活者データでマーケターのアイデア発想を支援 マクロミル「Coreka」でできること
マクロミルが創業25年で培ったリサーチや分析ノウハウを結集し、アイディエーションプラ...