XDR(extended detection and response)は、組織内の全てのITインフラのセキュリティ脅威を検出し、対処するために設計されたサイバーセキュリティツールを指す。XDRはEDR(endpoint detection and response)の進化形だ。EDRの管理対象はPCやスマートフォンといったエンドポイントである一方、XDRはエンドポイントに加えてネットワークやクラウドサービス、アプリケーション、さまざまなセキュリティツール、ID管理システムなどのあらゆるシステムが管理対象に含まれる。
EDRの重要度が増す一方、リソース不足の企業では運用が課題となっている。こうした中、EDRには脅威検知に加え、アラート対応作業の削減、専門知識不要の利便性なども求められている。こうした要件を満たす製品と、運用のコツを紹介する。
もはや人ごとではなくなった「ランサムウェアへの対策」。さまざまなセキュリティ製品でクライアント端末を守ろうとする企業に、有識者は「サーバにこそEDRが必要だ」と指摘する。
「AIの波」はセキュリティ業界にも押し寄せている。「XDR」に注力しているセキュリティベンダーSecureworksのCEOは、AI技術の活用についてどのような見解を持っているのか。
セキュリティ業界の注目分野の一つとして、システム全体の保護を目指す「XDR」がある。XDRはセキュリティ市場において市民権を得ているのか。XDRベンダーSecureworksのCEOに聞いた。
さまざまな手段を使って防御を擦り抜けようとするサイバー攻撃に備えるため、侵入後のセキュリティ対策を強化する「EDR」が脚光を浴びている。EDRの基礎や、自社に合ったEDRの選び方を手っ取り早く学ぶには。
サイバー攻撃が深刻化する中で、攻撃者がシステムに侵入した場合の被害を抑える「EDR」という手法が登場している。セキュリティ対策を担うSOCサービスは、適切なEDRの運用を支援する存在だ。自社に合ったSOCサービス選びのポイントとは。
いまやセキュリティ対策は重要な企業戦略だ。「EDR」を導入して脅威に立ち向かおうとしても、人材やスキル不足、運用の難しさといった壁が立ちはだかる。EDRとSOCサービスの組み合わせが、これらの課題を解決する理由とは。実例から探る。
Emotetをはじめ高度化するマルウェアにより、ビジネス停止に追い込まれた例も多数報告される中、企業にはエンドポイントセキュリティの強化が求められている。その核となる「EDR」の選び方を、ベンダーとSIerの視点から解説する。
XDRは、通常は切り離されている各システムからセキュリティデータを収集し、それらのデータを1つのシステムに集約してセキュリティ対策を実行する。異なるシステムのセキュリティアラートやイベントを関連付けることで、XDRは組織のITインフラの状況に関する洞察を提供する。
セキュリティ部門はセキュリティインシデントが発生したときに、XDRを使用してセキュリティインシデントの根本的な原因や被害を受けたシステムを調査できる。セキュリティチームはXDRを使い、攻撃者の可能性があるIPアドレスのブロックしたり、エンドユーザーまたはデバイスの隔離といったセキュリティ対策を自動化してサイバー攻撃の被害拡大を防止したり、システムの復旧に役立てたりすることも可能だ。
XDRは、以下の主要なステップを含む多段階のプロセスを通じて、脅威検出とインシデント対応の取り組みを支援する
XDRは自社システムのセキュリティ対策を強化し、セキュリティ担当者の負荷を軽減する。XDRの具体的なメリットは以下の通りだ。
XDRはEDRの機能に基づいているが、管理対象をエンドポイント以外のシステムにも拡張している。
EDRは、エンドポイントのみからデータを収集し、脅威検出の範囲やセキュリティ対策の自動化機能の適用対象はエンドポイントに限られる。一方でXDRはエンドポイントのみならず、さまざまなシステムからデータを収集する。XDRはITインフラ全体で脅威を検出し、対処することが可能だ。
ワークフローはEDRでは断片的になる場合があるが、XDRは複数のシステムやセキュリティツールを連携させて動作させることが可能だ。EDRはデバイスの種類ごとに管理コンソールが分かれている場合があるのに対して、XDRは複数のシステムを単一のコンソールで管理できるようにしている。
XDRとMDR(Managed Detection and Response)は、両方とも組織における脅威検出とインシデント対策能力を向上させることを目指しているが、その方法が異なる。XDRは顧客企業のセキュリティ担当者が利用するためのソフトウェア群だが、MDRはセキュリティベンダーが提供するマネージドサービスだ。MDRは顧客企業の脅威モニタリングや検出、調査、軽減作業を実施する。MDRサービスの提供に当たり、セキュリティベンダーはXDRやEDRを使うことがある。顧客企業はXDRとMDRを併用できる。
MDRを利用することで、顧客企業は、自社のセキュリティ担当者が十分な知見を持たない最新の脅威に対処できるようになる可能性がある。
XDRの導入には幾つかの課題が伴う。組織が認識しておくべきXDRのデメリットを説明する。