シックスシグマの原則を単純化するColumn

シックスシグマの原則は、どんなプロセスを改善するためであれ、まずはシンプルな基準あるいはベンチマークの定義から始める、というものだ。ここでは、シックスシグマの基本原則を使ってITパフォーマンスを改善するための方法を紹介しよう。

2006年08月03日 09時00分 公開
[Niel Nickolaisen,TechTarget]

 われわれ人間には、本来シンプルなコンセプトをわざわざ複雑にしてしまう、驚くべき才能がある。例えば、シックスシグマの根底にある原則も、また然りだ。シックスシグマとは、企業の製造プロセスを通じて製品の品質を改善するための業務改革の方法論だ。われわれはまず、シックスシグマの包括的なツールセットを作成した。そして、こうしたツールを学習し、習得した人たちを区別するため、シックスシグマのグリーンベルトやブラックベルトなどのランクを定めた(おそらく、紫色のベルトとかでもよかったのだろう)。こうしたシックスシグマのベルト保持者は、フィッシュボーンダイアグラム(特性要因図)を作成したり、カイ2乗を実行したり、ほかにもいろいろなことを実行できる。

 こうした過程で、われわれはシックスシグマの根底にある強力な原則を見失ったのではないかと私は懸念している。その原則とは、どんなプロセスを改善するためであれ、まずはシンプルな基準あるいはベンチマークの定義から始める、というものだ。そして、標準からのばらつきを測定し、ばらつきの原因を調査する。そして、その結果分かったことをプロセスの改善に役立てる。シックスシグマの基本原則を使えば、ビジネスプロセスとITプロセスの両方を大幅に改善できると私は考えている。以下では、シックスシグマの基本原則を使ってITパフォーマンスを改善するための方法を紹介しよう。

基準の設定

 例を挙げてみよう。あるプロジェクトにかかる予想時間が12週間だとする。そのため、基準のタイムフレームは12週間となるが、実際には、そのプロジェクトの完了には15週間かかったとする。そこで、われわれは考える。「何がこの差異(ばらつき)を引き起こしたのか? プロジェクトの範囲が変わったのか? リソースは、必要なときにきちんと入手できていたか? 一部のリソースに過度な負担がかかることはなかったか?」 ばらつきの原因をいったん特定できれば、そうした教訓を今後のプロジェクトに応用できる。そのうちに、徐々にばらつきを減らし、プロジェクトのパフォーマンスを改善できるようになるはずだ。

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