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シックスシグマの原則を単純化する
シックスシグマの原則は、どんなプロセスを改善するためであれ、まずはシンプルな基準あるいはベンチマークの定義から始める、というものだ。ここでは、シックスシグマの基本原則を使ってITパフォーマンスを改善するための方法を紹介しよう。
われわれ人間には、本来シンプルなコンセプトをわざわざ複雑にしてしまう、驚くべき才能がある。例えば、シックスシグマの根底にある原則も、また然りだ。シックスシグマとは、企業の製造プロセスを通じて製品の品質を改善するための業務改革の方法論だ。われわれはまず、シックスシグマの包括的なツールセットを作成した。そして、こうしたツールを学習し、習得した人たちを区別するため、シックスシグマのグリーンベルトやブラックベルトなどのランクを定めた(おそらく、紫色のベルトとかでもよかったのだろう)。こうしたシックスシグマのベルト保持者は、フィッシュボーンダイアグラム(特性要因図)を作成したり、カイ2乗を実行したり、ほかにもいろいろなことを実行できる。
こうした過程で、われわれはシックスシグマの根底にある強力な原則を見失ったのではないかと私は懸念している。その原則とは、どんなプロセスを改善するためであれ、まずはシンプルな基準あるいはベンチマークの定義から始める、というものだ。そして、標準からのばらつきを測定し、ばらつきの原因を調査する。そして、その結果分かったことをプロセスの改善に役立てる。シックスシグマの基本原則を使えば、ビジネスプロセスとITプロセスの両方を大幅に改善できると私は考えている。以下では、シックスシグマの基本原則を使ってITパフォーマンスを改善するための方法を紹介しよう。
基準の設定
例を挙げてみよう。あるプロジェクトにかかる予想時間が12週間だとする。そのため、基準のタイムフレームは12週間となるが、実際には、そのプロジェクトの完了には15週間かかったとする。そこで、われわれは考える。「何がこの差異(ばらつき)を引き起こしたのか? プロジェクトの範囲が変わったのか? リソースは、必要なときにきちんと入手できていたか? 一部のリソースに過度な負担がかかることはなかったか?」 ばらつきの原因をいったん特定できれば、そうした教訓を今後のプロジェクトに応用できる。そのうちに、徐々にばらつきを減らし、プロジェクトのパフォーマンスを改善できるようになるはずだ。
もちろん、ポジティブな差異(ばらつき)もあるだろう。12週間という見通しに対して、実際にはプロジェクトの完了に10週間しかかからなかったとしたら、どうだろう? これも、ばらつきであることに変わりはないが、ポジティブなばらつきだ。何がこのばらつきを引き起こしたのか? 反復法を使用することで、作業のやり直しを減らせたのだろうか? ばらつきの原因をいったん特定できれば、そうした教訓を今後のプロジェクトに応用できる。
シックスシグマの基本原則をITオペレーションの改善に適用するのも効果的だ。例えば、システムの信頼性の基準が「1週間に30分以下のダウンタイム」だとする。各種のプロジェクトの場合と同様、この場合も、実際の結果をこの基準と比較して、ばらつきを把握すればいい。ある週には、ダウンタイムは2時間だったとする。その理由を解明し、そこから学んだ教訓をITプロセスやITオペレーションに適用する。また別の週には、ダウンタイムがゼロ分だったとする。理由は? そして、このポジティブなばらつきから学べることは? その理由をいったん特定できれば、あとは、その知識を活かして、プロセス、ひいてはITオペレーションを継続的に改善できる。
早くて頻繁な改善
シックスシグマの基本原則を使用するメリットは、最初の基準を定義するために多くの調査を行わずに済む点だ。現行のパフォーマンスから開始し、ばらつきを測定し、調査することで、プロセスとパフォーマンスを継続的に改善できる。このアプローチが、ヘルプデスクの対応時間やプロジェクトのスコーピングなど、大半のITプロセスに効果的であることを私は確認済みだ。
シックスシグマの原則を理解できたら、プロセスのサブセットで試してみるべきだ。シックスシグマの基本的なアプローチを使ってプロセスを改善できたからといって、マスターブラックベルトの資格が与えられるわけではない(どうすればマスターブラックベルトの資格を与えられるのかよく知らないが、聞くところによれば、たいへんそうだ)。だが、シックスシグマの原則を活用することは、信頼できるIT製品/サービスプロバイダーとなる助けになるはずだ。そして最終的に一番重要なのは、より良いIT環境を提供することだ。
本稿筆者のニール・ニコライセン氏はユタ州サウスジョーダンに拠点を置くエネルギー/建設資材ベンダー、ヘッドウォーターズの戦略的計画担当副社長で元CIO。
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