Windows XPが2001年に発表されたとき、(わたしの知る限りでは)そのライセンス契約には、同OSを仮想マシン(VM)上でどのように利用できるかに関する明示的な規定はなかった。しかしその後、まだ珍しかった仮想マシンはほとんど当たり前の技術になった。そこでマイクロソフトは、次のバージョンのWindows、つまりWindows VistaのEULA(エンドユーザーライセンス契約)には、同OSを仮想マシン上でどのように利用できるかを、明示的に定める規定を追加すべきだと判断した。
そしてマイクロソフトが課したライセンス制限は、非常に多くの人々を混乱させている。それらの制限は明らかに、さまざまな点でお互いに矛盾して見えることが大きな理由だ。幸い、ZDNetのエド・ボット氏など数人の人々が、果敢にもマイクロソフトに直接(同社ディレクターのスコット・ウッドゲート氏を通じて)、Vistaのライセンス契約で仮想化がどのように扱われるのかについて質問をぶつけ、多くの回答を得た。この記事をまとめるにあたっては、ボット氏の労力の成果を大いに参考にさせてもらった。
Vistaのライセンスにおける仮想化の扱いは少し込み入っており、一筋縄では理解できない。そこで以下では、最初にVistaの製品構成に沿って説明し、そこから掘り下げていこう。
まず、Vista Homeはどうか。あなたがWindows Vista Home(Home BasicまたはHome Premium)のリテール版かOEM版を購入した場合、仮想マシン上でこれらを動かすことは、ライセンス契約で認められていない。けんもほろろだ。だが、わたしの見るところでは、Vista Homeのセットアップルーチンには、同OSをこのように利用することを明示的に禁止する処理は含まれていない。こうした利用は、ライセンスの条件として許可されていないだけだ。
なぜこうした制限があるのか。恐らく、Vista Homeの価格水準は、仮想化のような機能をカバーすることを想定したものではないのだろう。言い換えれば、仮想化は、システム全体のバックアップとリストアなど、BusinessやUltimateエディションでのみ提供されるVistaの高度な機能の多くと同じ理由で、Vista Homeから周到に排除されている。
しかし、この制限には大きな例外がある。これについてはあらためて後述しよう。別個に詳しく取り上げるに値するからだ。
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