ホスト仮想化、ベアメタル仮想化、OS仮想化、ハイブリッド仮想化のそれぞれの特徴を解説するとともに、2008年のMicrosoftの計画が仮想化分野にどのような影響を及ぼすかも展望する。
VMwareがESX Serverをリリースしてから7年が経過した。VMwareはx86サーバの仮想化分野を開拓したが、今ではこのフロンティアを切り開いているのは同社だけではない。幾つもの優秀なベンダーが参入し、独自ブランドの仮想化製品を生み出している。以下では、こうしたさまざまな製品を分類・評価する助けになるように、現在市場で利用されている4種類の仮想化アーキテクチャを概説し、それらが今後数年間にどのような方向に進むかについて見通しを示す。
最初に取り上げるのは、ほとんどのユーザーにとってなじみの深い仮想化アーキテクチャであるホスト仮想化だ。VMware WorkstationやVMware Fusion、Parallels Desktop for Macなど、デスクトップ仮想化製品は、すべてホスト仮想化アーキテクチャを実装したものだ。
このように、ホスト仮想化のアプローチでは既存OSが利用されている。ハイパーバイザーはOS上で動作し、仮想マシン(以下、VM)はハイパーバイザーによって管理される。
このタイプの仮想化には多くのメリットがある。ユーザーは仮想化製品を一般のアプリケーションと同様にデスクトップにインストールでき、デスクトップOSを引き続き利用可能だ。
しかし、ホスト仮想化にはデメリットもある。ハイパーバイザーとOSの両方がメモリマネージャとCPUスケジューラを持つことに注意してほしい。この方式ではオーバーヘッドが多くなる。このアプローチは、ハードウェアの仮想化支援機能が実現される前にホスト仮想化製品が開発されたことから、必要に迫られて採用された。
ホスト仮想化製品は現在もよく使われている(VMware Workstation 6.0のように)が、この状況がどのくらい続くかは分からない。実際、新しい選択肢が登場している。本稿で4番目に取り上げるハイブリッド仮想化は、オーバーヘッドを伴わずにホスト仮想化のすべてのメリットを提供する。
VMware、Microsoft、Parallelsのような企業が、ホスト仮想化製品を発展させてハイブリッド仮想化を導入するかどうかは、時がたてば分かるだろう。
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