2007年03月29日 05時00分 公開
特集/連載

仮想化導入ガイドPart6 誇大宣伝に要注意【前編】――サーバとOSStep by Step

マーケティング関係者が仮想化という言葉を誤用して人々に誤解を与えている。ここでは「サーバの仮想化」と「OSレベルの仮想化」という2つの言葉とその技術について見ていく。

[Alessandro Perilli,TechTarget]

 仮想化は、コンピューティングリソースの利用についての考え方を根本的に変えつつある。2006年には、通常なら新しいITに飛びついたりしない企業の間でも、仮想化の導入が急速に進んだ。こうした動きは、仮想化のメリットが魅力的なことを示しているが、その一方で、企業のIT部門にとってある種危険な状況をもたらす。

 仮想化は意味の広い言葉であり、コンピューティングリソースを抽象化する幾つかのアプローチを指す。そこで、これらのアプローチそれぞれの違いを理解し、この用語の乱用が見られる現状を認識し、仮想化が今後10年間でインフラをどのように変えるかという見通しを持つことが、極めて重要になる。

 以下では、マーケティング関係者が仮想化という言葉を誤用して人々に誤解を与えていることを指摘する。また、実にさまざまな形で語られている「サーバの仮想化」と「OSレベルの仮想化」という2つの言葉、そして技術について見ていく。次回は、同じくむやみに使われている言葉である「アプリケーションの仮想化」と「ストレージの仮想化」を取り上げる。

言葉の乱用

 仮想化は、IT分野に10年に1度クラスの大きな変化をもたらしていると思う。この言葉自体をビジネスに利用したいという誘惑に逆らえず、ますます多くのベンダーが新旧の技術を説明するのに仮想化という言葉を用いている。ところが、そうした技術は多くの場合、仮想化とはほとんど関係がない。

 最も顕著な例は、「ネットワークの仮想化」や、場合によっては「セキュリティの仮想化」といった言葉まで使い出しているセキュリティベンダーだ。無節操なマーケティング関係者がこうした言葉を、一般に「エンドポイントセキュリティ」というカテゴリーでくくられてきた一連の技術の新しいキャッチフレーズにしようとしている。そうすることで、一部のスイッチで長年提供されてきた仮想LAN(VLAN)や、エンドポイントセキュリティの基盤となる検疫ネットワークのような既存のネットワーク機能が、目新しい機能として新製品の売り物になるというわけだ。

 もう1つの例として、アプリケーションの仮想化がある。この言葉はしばしば、シンコンピューティングという既知の概念と混同されている。シンコンピューティングでは、アプリケーションはサーバでホストされ、非力なクライアントからリモートアクセスされる。アプリケーションの仮想化は、シンコンピューティングのシナリオにうってつけだが、両者はまったく異なる技術だ。

 恐らく、仮想化という言葉が最も乱用されている分野はストレージだろう。マーケティング関係者は、ブロック、ディスク(昔ながらのRAID)、ファイルシステム、テープドライブなどの説明に仮想化という言葉を持ち出している。

 さまざまな機能がコンピューティングのさまざまな側面を抽象化するのは確かだが、ベンダーがそうした機能の名前を変えて新技術として売り込めば、顧客を混乱させることになる。顧客の側では、仮想化という言葉がどのような文脈でどのように使われるかを、注意深くチェックしなければならない。

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