データが危険にさらされただけでも処罰の対象に
USBメモリのデータを守るためにSMBにできること
重要データを記録したUSBメモリ紛失のリスクはSMBでも避けられない。情報を守るための5項目を紹介する。
ニュースを見ている人なら誰でも知っての通り、USBメモリやCD/DVDディスクは毎日のように紛失したり、置き忘れられたり、盗まれたりしている。こうした記録媒体には、重要データがパスワード付き暗号などの適切な措置によって守られないまま保存されていることがある。
データ流出による実質的な損害はなかったとしても、セキュリティが掛けられていないデータが危険にさらされたという事実だけで、相当の罰金や処罰の対象となりかねない。こうしたリスクや罰則は、あらゆる規模の企業に当てはまる。複雑なセキュリティ措置のためのITリソースを持たない中堅・中小企業(SMB)さえも例外ではない。
小さいながら何Gバイト分もの情報が記録されたこの媒体の紛失を防ぐ簡単な手だてはないが、従業員が社外へ持ち出す前に、重要データのセキュリティを確保する簡単な、そして手ごろな手段はある。
携帯メディアのデータを守るためのノウハウを以下に挙げる。
1.重要データとは何か、なぜ保護しなければならないのかを理解する
- 重要データに該当するのは、従業員の個人情報や顧客情報、企業秘密、顧客の連絡先/販売データベース、商品価格などの競争に関連したデータなど
- なぜ保護する必要があるのか。サーベンス・オクスリー(SOX)法、HIPAA(医療保険責任法)といった業界や政府の規則では、特定のデータの適切なメンテナンスを義務付けている。情報流出などの形でコンプライアンス違反があれば、相当の罰金を払うことになりかねない。情報流出が会社の生産性、財務、評判などに与える潜在的影響も考慮しなければならない
2.従業員がどんな情報を持ち出そうとしているのか、理由はなぜかを突き止める
- データを社外に持ち出したがっているのは誰(従業員、業務委託者、顧客、見込み客など)なのか、どの程度の情報を、いつ、どこへ持ち出そうとしているのかを突き止める。データを利用する必要があるのは誰か。オフライン(例えば機内など)で仕事をする必要があるのか
- 従業員はオフィスからデータのコピーを持ち出しているだけなのか、それとも、これも保護対象となるべき新しいデータを作成したり取得したりしているのか
- 自社のIT担当者はどの程度のセキュリティ管理ができるのか。自分はどの程度の予算を自社のIT部門あるいは外部のサービスに割り当てる用意があるのか
3および4.社外へのデータ持ち出しに関するポリシーを定め、それを実装する製品を選ぶ
この2項目はひとまとめにする必要がある。導入したポリシーによって、検討対象となる製品が決まるためだ。選んだ製品によって、自分が管理できるポリシーが決められたり制約されるされたりすることもある。
- 社外持ち出しを認めるデータと認めないデータ、紛失したり行方不明になった記録媒体の報告手順を盛り込んだ「データの社外持ち出し」ポリシーを定める
- 記録媒体の供給責任者を決める。例えば、すべての媒体を会社が買って支給するのか。ユーザーが手持ちのUSBメモリを使って会社のデータを持ち歩くことを認めるのか。ユーザーが私用ファイルを会社のUSBメモリに保存しても構わないのか
- ポリシーを公表する。掲示板に張り出し、会社のUSBメモリを支給する前に各従業員に署名させ、人事ファイルに記載する
5.テストと研修
- 従業員にデータの保護方法と利用方法を確実に身に着けさせ、研修の機会を設ける
- 「パスワードの入力回数を制限できる」ソフトウェアを試し、どのように機能するかを知っておく(試験データのコピーを利用する)
番外 ベンダー提供のセキュリティソリューション
USBメモリやソフトウェアのベンダーは、SMBのためのセキュリティソリューションを提供している。
セキュアなUSBメモリを提供しているベンダーにはIronKey、Kingston Technology、SanDisk、Verbatimなどがある。ドライブ全体にセキュリティを掛けているものもあれば、非公開(セキュリティ対象)と公開(セキュリティ対象外)を区分けできるものもある。そのほかの機能として、ショックや振動に対応する設計と不正防止ハードウェア/リモート管理機能と管理・ログ記録ソフトおよびサードパーティー製ツールとの互換性/FIPS 140-2認定バージョン/パスワードバックアップやデバイス管理のための管理型サービスなどがある。
ソフトウェア製品も提供されており、中にはメディアカード、外付けHDD、CD/DVDディスクまで扱えるものもある。
ファイル/フォルダや公開/非公開の区分けまたはドライブ全体の暗号化機能を提供しているソフトウェアベンダーは、PGPやRSA Securityなど。オープンソースの暗号化ツールにはTrueCryptやToucanがある。U3 SmartDrive USBフラッシュメモリではセキュリティソフトも利用できる。USBメモリなどの媒体向けエンドポイント管理ソフトの一例にはGFI EndPointSecurityが挙げられる。
SMBが重要データを守るためにできる最も重要なことは、選んだ製品が確実に使われるようにすることだ。このためには従業員教育と、ある程度の強制が必要になる。パスワードのコピーは、特に新しいデータを社外から収集する場合、中央で確実に管理しておくことだ。
本稿筆者のダニエル・P・ダーン氏は独立系の技術ライター。
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