米国Intuitが導入し、外部監査対応時間55%削減を実現したオラクルの業務アプリケーション職務分掌管理製品が発表された。
日本オラクルは1月13日、業務アプリケーションの職務分掌管理製品「Oracle Application Access Controls Governor」(以下、Oracle AACG)を発表した。同製品は、企業ガバナンス(Governance)、リスク管理(Risk)、コンプライアンス(Compliance)を支援する「Oracle GRC Applications Suite」製品群を構成する「Oracle GRC Controls Suite」の1つ。
周知の通り、内部統制では適切な職務分掌が求められる。Oracle AACGは、各種業務アプリケーションを横断するアクセス権限の管理と監視、分析を行い、企業における職務分掌を支援する。定義した職務権限(ポリシー)に従いユーザーのアクセスのモニタリングを行い、ポリシーに違反するアクセスに対しては是正措置を要求する。また、アクセス権限付与のシミュレーション機能により、ポリシーの不備(職務分掌が不十分な定義など)やアプリケーション間で生じる矛盾の検知が可能。700種類以上のオラクルERP製品(Oracle E-Business SuiteおよびPeopleSoft)用の職務分掌権限設定が用意されているほか、アダプターを介することで他社ERP製品やユーザー企業独自開発アプリケーションへの適用も可能だという。
同時に、内部統制の運用状況を一元管理するアプリケーション「Oracle GRC Manager」(以下、GRCM)の短期導入サービス「GRCテンプレートサービス」の提供が開始された。CRCM導入のアドバイザリーや初期設定・設計など提供することにより、従来6カ月を要していたGRCMの導入を3カ月に短縮できるという。
日本オラクル システム事業統括本部 Fusion Middlewareビジネス推進本部 シニアディレクター 入江宏志氏は、ERM(エンタープライズリスク管理)実現の流れとして、企業が従来行ってきた危機管理から、
そしてERMへと進むと説明。GRCテンプレートサービスはDefineのための、そしてOracle AACGはRationalizeのための製品と位置付けた。日本版SOX法2年目の課題としては「より少ない人間で実施し、SOX法適用のコストを下げること」とし、Oracle AACGがコスト削減に有効であると語った。その例として、米国Intuitの事例が紹介された。同社はOracle GRC Controls Suiteの導入により、外部監査の対応時間を55%削減。投資コストを5カ月以内に回収したという。
Oracle GRC Controls Suiteは、今回発表されたOracle AACGに続き、今後「Configuration Controls Governor」(アプリケーション変更管理)、「Transaction Controls Governor」(アプリケーショントランザクション・モニタリング)が提供されることも明かされた。
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