アプリケーションテストに応用できるアドオン
Firefoxアドオンの「Web Developer」を使ってセキュリティ問題を発見
この無料のアドオンには、スクリプトの無効化やCookieの表示など、セキュリティテストに役立つ幾つかの機能が用意されている。
「作業にツールが必要だが適当なものがない」という状況に陥ったことはないだろうか。例えば、煙探知器の電池を交換しようというときや、ドアノブのがたつきを直そうというときのように。
こうしたときに必要なツールはいつも手元にあるわけではなく、場合によっては買いに行かなければならないかもしれない。開発者が忘れがちなのは、プロジェクトで対処しなければならない問題は、意外にも、バターナイフやつめ切りといった日用品になぞらえられるようなありふれたツールを使って解決できる場合が多いということだ。
アプリケーションセキュリティの分野に目を向けると、そうしたツールとしてFirefoxのアドオン「Web Developer」が挙げられる。
Web Developerは、セキュリティテスト用のツールと思われることはまずないが、この用途に重宝する。作者のサイトから手軽にダウンロード、インストールできて便利な上、無料だ。もともとはWebページの微調整やトラブルシューティングのためのツールだが、Web Developerはこの6年の間に、セキュリティ上の不具合を手動で発見するための強力なツールとして進化してきた。
Web Developerでの脆弱性チェック
Web Developerは、Cookie解析やフォーム操作、JavaScript解析などが行えるようになっており、一般的なWeb脆弱性スキャナを使うだけでは残ってしまうWebセキュリティホールをふさぐのに役立つ。Web Developerを使ってWebセキュリティの脆弱性をチェックする方法を以下に示す。
1. [Disable]メニュー
ブラウザキャッシュ、JavaScript、リファラ送信を無効にし、アプリケーションの挙動を操作して反応を評価し、何が悪用される可能性があるかを調べられる。
2. [Cookies]メニュー
Cookieを無効にしたり、Cookie情報を表示したりしてセッションを操作し、ユーザーが何を見たり、行ったりできるかを調べられる。
3. [Forms]メニュー
多数のフォーム操作(わたしのお気に入りの脆弱性チェック方法の1つ。セキュリティ攻撃の定番の手口でもある)オプションを使って、フォームフィールドを埋めたり、フィールド長の制限をなくしたりして反応を分析することで、アプリケーションがダウンしない範囲でどれだけ不正入力を受け入れてしまうかを調べられる。
4. [Information]メニュー
HTTPレスポンスヘッダやJavaScript情報、ページ情報を表示するオプションが利用できる。ページ情報では、現在のページでSSLが使われているかどうか(これは見落とされがちだ。SSLはどこでも使われるわけではない)が示される。また、下記の図のように、新しいタブを開いて、ページ内のリンクを一覧表示するオプションも用意されている。このオプションにより、テスト対象から漏れていたサイト/アプリケーションの要素が見つかるかもしれない。
なお、[Outline]メニューの[Outline Links]機能は、ページ内のリンクを目立たせる。この機能は、テスト中のサイト/アプリケーションから自分が離れていないことを視覚的に確認しながら作業したい場合に便利だ。
5. [Options]メニュー
余計な情報を漏らしてしまいがちなコメントを表示したり、Webプロキシを使って操作されやすい非表示のフォーム要素を表示したりできる。
Firefoxが性に合わない場合は、Internet Explorer(IE)上でWeb Developerと、ある程度似ているツールを使うという手がある。「Internet Explorer Developer Toolbar」というもので、IE 6とIE 7に対応している。
Developer Toolbarは、セキュリティテストに使うという観点から見ると、決して包括的なツールでも便利なツールでもない。だが、スクリプトの無効化やCookieの表示など、セキュリティテストに役立つ幾つかの機能が用意されている。なお、先ごろ公開されたIE 8には、開発者向けツールがあらかじめ搭載されている。
アプリケーションを徹底的にテストするにはWeb Developerだけでは足りないが、それでもこのツールは重要であり、一度使うと手放せないだろう。
本稿筆者のケビン・ビーバー氏は、米アトランタにあるPrinciple Logicを経営する独立系情報セキュリティコンサルタントで、執筆、講演も手掛ける。情報セキュリティに関する7冊の著書および共著書がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] 複雑化しがちな「SASE運用」 IT・医療・金融などの事例に見る導入成功の秘訣 -
製品資料
[フォーティネットジャパン合同会社] 「SD-WAN」導入で失敗しないための5つの重要事項 -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] VPNの代替候補「ZTNA」を理解できるようになる“3大要素”とは? -
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] すぐ分かる「SD-WAN」選定のポイント 成功企業はどんな成果を出した? -
製品資料
[SCSK株式会社] 「Dropbox」管理・運用の困りごと解決ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
みずほ証券が「液冷サーバ」を採用 1日3.6億件の計算を支えるための要件
-
4
Microsoft月例パッチ1400件超で過去最多 「限界点」を迎えたパッチ管理
-
5
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
6
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
7
いまIBM iエンジニアが直面する「5つの技術的課題」とその解決策
-
8
Microsoft 365の「テナント統合・分離」問題 手戻りのない道を選ぶ秘訣とは?
-
9
AI時代のITインフラ戦略とは? 販売代理店が知っておきたい最新トレンド
-
10
巨大組織の「アジャイル」を加速させる オリックス生命が選んだ、開発状況を見える化する戦略的ツールとは?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー