規模縮小とリストラの中で避けることのできない変化を利用すれば、情報セキュリティの重要性を伝えられる手段は数多くある。
暗い年になりそうな2009年に突入し、あらゆる組織がどの部分でコストや人員を削減できそうか模索するのは確実だ。ITセキュリティのメリットは企業の業績に与える効果が最も目に見えにくいため、残念ながらいち早く予算が縮小される可能性がある。情報セキュリティの管理職にとってもスタッフにとっても、これは極めて憂慮すべきことだ。わたしの記憶では、セキュリティ予算は好調なときでも頻繁に増額されるものではなかった。つまり、ただでさえ逼迫(ひっぱく)気味のリソースが、さらに減らされそうな情勢なのだ。
しかし、どんな形で予算を減らされても、セキュリティに対する認識の低下を招いてはならない。セキュリティ管理者として、セキュリティポリシーでコンプライアンスを確実に保ち続けるため、上層部による情報セキュリティ支持を組織内の優先課題とすることだ。ほかの部局の管理職は、かなりのプレッシャーの下でプロジェクトを迅速かつ経済的に完成させようとするだろう。しかしそうしたニーズが、セキュリティで妥協する状況に結び付くことがあってはならない。リスクの所在・責任、説明責任がポリシーと職務記述書に明記されていることを確認すれば、大きな混乱は避けられる。結局のところ、上級管理職はコンプライアンスの法的責任を負っているのだ。
では、情報セキュリティチームが前途の困難に立ち向かう最善の方法は何か。特にIT部門内部に余剰がありそうな場合、直ちに目を向けるべき問題は「継続性」だ。スキルと後継育成計画が整っていない場合、チームメンバーが抜ければ現在の知識は保てない。メールサーバのメンテナンスとトラブルシューティングのやり方を知っているのが1人だけということはないか。ファイアウォールの設定方法を本当に理解している管理者が何人いるか。責務の分担はセキュリティにとって大切だが、責務のローテーションも大切だ。それにより、特定のスキルを1人だけに担わせることを避けられる。こうした状況は、チームの規模が小さい場合や、目を掛けて育成できる若手がいない場合に陥りがちだ。
外部の一時雇用者、コンサルタント、業務委託者を含めて安定した従業員のセキュリティライフサイクルが確保できるよう、人事面のセキュリティポリシーも見直す必要がある。同僚たちが状況の変化に直面する中で、ITリソースと施設へのアクセスが常に従業員の現状と職務内容を正確に反映したものであることを期すため、人事部門とIT部門は緊密に連携しなければならない。例えば、従業員が辞めるときに入退室カードとIDバッジを確実に返却させる手順を定めておくのは一般的だが、ネットワークアカウント停止のタイミングといったロジック的セキュリティの管理は時に見落とされることがある。
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