ほんのちょっとした設定ミスが、仮想化環境における仮想マシンのパフォーマンスを大きく低下させることがある。本稿ではそうした設定ミスと、その対処法について解説する。
イージーミスは高くつく。仮想化環境では多くの場合、ちょっとしたイージーミスが深刻なパフォーマンス問題を引き起こしてしまうのだ。そこで以下では、わたしがコンサルティングを行う中で見てきたこうした重大なミスを幾つか紹介しよう。中には、分かりきっていると思われるものもあるかもしれない。だが、あなたの会社の設定をチェックしてみていただきたい。その結果に驚くことになるかもしれない。
スクリーンセーバは、オフィスの受付にあるデスクトップPCには必要不可欠だ。スクリーンセーバのおかげで、ユーザーがコンピュータから離れている間に画面がのぞき見される心配がない。また、スクリーンセーバはデータセンターでもコンピュータを保護してくれる。サーバで数分間操作が行われず、スクリーンセーバが起動してコンソールをロックすると、その環境は物理的にアクセスできる侵入者がいても保護される。
しかしスクリーンセーバは、プロセッサリソースを少量ながら使用する。スクリーンセーバは重要な機能には見えないとしても、画面中をはい回るパイプを描画したり、お気に入りの企業スローガンをスクロール表示するために、プロセッサパワー全体の数%が消費される。大した消費量ではないと思うかもしれないが、統合型の仮想環境では1台の物理サーバ上で10〜15台の仮想マシン(VM)が動作する場合がある。その場合、数%にVMの台数を掛けた割合のプロセッサパワーが使われることになる。しかも、会社の環境で仮想デスクトップを導入し、ホスティング型デスクトップを利用していると、さらにコストがかさむだろう。
従って、スクリーンセーバは無効にするべきだ。多くの環境ではグループポリシーでスクリーンセーバを強制しているため、スクリーンセーバを無効にするには、既存のグループ・企業セキュリティポリシーからスクリーンセーバを削除することが必要かもしれない。
このミスは最も悩ましい問題の1つだ。IT管理者に広く見られるからだ。あなたはインフラコンポーネントの管理を個々のサーバにリモートログインして行っているだろうか。ExchangeサーバからExchange Management Consoleを実行しているだろうか。DNS(ドメインネームサーバ)設定のチェックをサーバコンソールから行っているだろうか。ドメインコントローラーにリモートでログオンしてActive Directoryを管理しているだろうか。
もしそうなら、これらのやり方はやめなければならない。
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