サーバ仮想化の導入によりサーバ統合を果たす一方で、ITインフラ管理の複雑化という新たな課題に直面する企業も多いという。具体的に何が問題となっており、どのような解決策が存在するのだろうか?
管理者が仮想インフラを拡張しようとすると、サーバのプロビジョニングや、仮想マシン(VM)へのリソース割り当て、さまざまなベンダーの管理ツールの利用に伴う問題といった管理上の課題に直面することが多い。
本稿では、サーバプロビジョニングの自動化や各種管理ツールの統合により、管理者がこうした課題にどのように対処できるかを説明する。
ITマネジャーは多くの場合、おなじみのプロビジョニングプロセスを用いて仮想サーバのプロビジョニングを行う。つまり、手動の方法に頼りがちだ。このため、新しく導入された仮想サーバ環境では、プロビジョニングのスピードが遅く、効率が悪いことが多い。
さらに、IT管理者は大抵、新しいVMを提供してほしいという要求に優先順位を付け、事前に承認されたプロビジョニングプロセスを実施する責任を持つ「仕切り役」を任されている。これは厄介な役回りだ。成長中の企業では、仮想サーバの提供要求の増大にIT部門のリソースがすぐに追い付かなくなってしまう。そこで管理者は、プロビジョニング要求に対応するために、「VMware vCenter Server」のような統合管理ツールをよく利用する。だが、こうしたツールは複雑なため、管理の生産性を阻害しがちだ。VMware vCenter Serverや同様のツールを使いこなすには、数日あるいは数週間の研修が必要であり、小規模な企業の多くはそうした研修を後回しにするか、完全に省略してしまう。
その結果、煩雑で面倒な手動のプロビジョニングプロセスが原因となって、VMの品質と一貫性を損なうミスが多発することになる。リソースの割り当てが不適切に行われる恐れがあり、ことによるとVMの全面的な再構築が必要になるかもしれない。バックログがたまり、プレッシャーが高まるとともに、ミスが起こる可能性も大きくなる。
非効率なプロビジョニングの問題に対処するため、管理者は「DynamicOps Virtual Resource Manager」(DynamicOps VRM)のような仮想インフラ管理製品を利用して、仮想サーバのプロビジョニングを自動化できる(そして大幅に迅速化できる)。これらの製品はセルフサービスポータルを提供し、ユーザーはこれを使って、IT部門を介さずに新しいVMのプロビジョニングと既存VMの管理を行える。
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