Webアプリ、仮想化、Netbookの普及で変わりゆくWindowsの役割デスクトップOS市場のこれから

Webアプリケーション、仮想化、Netbookなどの普及で、デスクトップOSの役割は大きく変わりつつある。Windowsの市場シェアは低下していくのだろうか。

2010年01月25日 08時00分 公開
[Bridget Botelho,TechTarget]

 Webベースアプリケーション、サーバおよびクライアントハイパーバイザー、Netbookの台頭に伴い、サーバOSとデスクトップOSの役割がこれまでとは変わりつつある。

 まず、デスクトップ仮想化がデスクトップOSの重要性を低下させ、代わってサーバOSが重みを増している。

 ネット利用中心のPCの最新形態であるNetbookは、JeOS(just enough OS:必要最小限のOS、軽量OSとも呼ばれる)が急速に注目を集めるきっかけとなり、GoogleのChrome OSやUbuntuのNetbook Remixといった新OSが登場している。Citrix SystemsVMwareがそれぞれ2010年リリースするクライアントハイパーバイザーは、デスクトップOSへの依存を大幅に減らすと予想される。

 「シンクライアントハイパーバイザーは、従来の重いOSの代わりにPCにインストールされる。この環境では、フル機能のデスクトップOSは不要だ」と、San Diego Data Processing Corporation(SDDPC)のシステム管理者で、デスクトップ仮想化を利用しているリック・J・シェーラー氏は語った。SDDPCは、サンディエゴ市の行政機関のITニーズに対応する非営利組織だ。

 「クライアントハイパーバイザーは、VDI(仮想デスクトップインフラ)にアクセスするためのシンクライアントをエミュレートする。このクライアント上では一種のOSが稼働するが、サーバOS、そしてサーバハイパーバイザーへの依存が大きくなる」とシェーラー氏。「こうしたコンピューティング方式では、すべてがデータセンターに集約されていく」と語る。

 サーバOSは個々のマシンを管理するのに必要だ。一方、VMwareのvSphere──同社はこの製品を「Virtual Datacenter Operating System」(VDC-OS:仮想データセンターOS)と銘打っている──などのサーバハイパーバイザーを使って、データセンター全体(サーバ、ストレージ、ネットワーク)を管理する企業が増えている。

 このことは、従来のOSのコンピュータ管理における役割が小さくなることを意味すると、仮想化コンサルティング会社Envision Technology Advisorsのトッド・ナップCEOは語った。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news094.jpg

「押し付けがましい広告」が配信されたとき、消費者はどう感じるか
消費者は個人データに依存した広告よりも、記事などのコンテンツの文脈に沿っている広告...

news074.jpg

SNS発信のベストな時間帯(2025年版) InstagramとFacebook、TikTokでどう違う?
Hootsuiteが2025年版のソーシャルメディア最適投稿時間を公開。各プラットフォームごとの...

news161.jpg

「動画広告がディスプレイ広告超え」他、電通「2024年 日本の広告費」インターネット広告媒体費の詳細分析
国内電通グループのデジタル領域をけん引する4社は共同で「2024年 日本の広告費」のイン...