Webアプリケーション、仮想化、Netbookなどの普及で、デスクトップOSの役割は大きく変わりつつある。Windowsの市場シェアは低下していくのだろうか。
Webベースアプリケーション、サーバおよびクライアントハイパーバイザー、Netbookの台頭に伴い、サーバOSとデスクトップOSの役割がこれまでとは変わりつつある。
まず、デスクトップ仮想化がデスクトップOSの重要性を低下させ、代わってサーバOSが重みを増している。
ネット利用中心のPCの最新形態であるNetbookは、JeOS(just enough OS:必要最小限のOS、軽量OSとも呼ばれる)が急速に注目を集めるきっかけとなり、GoogleのChrome OSやUbuntuのNetbook Remixといった新OSが登場している。Citrix SystemsとVMwareがそれぞれ2010年リリースするクライアントハイパーバイザーは、デスクトップOSへの依存を大幅に減らすと予想される。
「シンクライアントハイパーバイザーは、従来の重いOSの代わりにPCにインストールされる。この環境では、フル機能のデスクトップOSは不要だ」と、San Diego Data Processing Corporation(SDDPC)のシステム管理者で、デスクトップ仮想化を利用しているリック・J・シェーラー氏は語った。SDDPCは、サンディエゴ市の行政機関のITニーズに対応する非営利組織だ。
「クライアントハイパーバイザーは、VDI(仮想デスクトップインフラ)にアクセスするためのシンクライアントをエミュレートする。このクライアント上では一種のOSが稼働するが、サーバOS、そしてサーバハイパーバイザーへの依存が大きくなる」とシェーラー氏。「こうしたコンピューティング方式では、すべてがデータセンターに集約されていく」と語る。
サーバOSは個々のマシンを管理するのに必要だ。一方、VMwareのvSphere──同社はこの製品を「Virtual Datacenter Operating System」(VDC-OS:仮想データセンターOS)と銘打っている──などのサーバハイパーバイザーを使って、データセンター全体(サーバ、ストレージ、ネットワーク)を管理する企業が増えている。
このことは、従来のOSのコンピュータ管理における役割が小さくなることを意味すると、仮想化コンサルティング会社Envision Technology Advisorsのトッド・ナップCEOは語った。
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