日本HPは、データセンターの空調管理ソリューション「HP Data Center Environmental Edge」を発売した。エネルギー使用状況などをワイヤレスセンサーで検知し、リアルタイムで監視・リポートする。
日本HP(ヒューレット・パッカード)は3月8日、データセンターの空調管理ソリューション「HP Data Center Environmental Edge」を発売した。データセンター事業者、自社でサーバルームを保持する大手企業が対象である。
HPが掲げるデータセンター管理の戦略「HP Data Center Smart Grid」では、電源能力を有効利用するためにサーバ電力の可視化、消費電力の動的制御や上限設定などを行う「システムレベルの最適化」と、最適なレイアウト設計をするためにデータセンター内の環境を可視化する「ファシリティレベルの最適化」がある。HP Data Center Environmental Edgeは後者のファシリティレベルを最適化するソリューション。
HP インダストリー・スタンダード・サーバー事業統括 製品マーケティグ本部 製品企画部の中井大士氏は「国内・海外含め多くのデータセンター事業者がクラウドサービスに参入し、今やITの主役はデータセンターとなった。その結果、データセンターの競争は激化傾向にある。競争で勝つためには、さらなる効率化を追求しコストを抑制することが不可欠」と述べ、特にコスト削減において「ファシリティ負担は最重要課題」と強調した。
HP Data Center Environmental Edgeの特徴は、取り外し可能なワイヤレスセンサーをラックなどに設置して情報収集を行うことでデータセンターのレイアウト変更に柔軟に対応できる点と、Webインタフェースの管理ソフトウェア「HP Insight Control Observer ソフトウェア」でエネルギー使用状況をリアルタイムに確認できる点だ。エネルギー使用状況はリプレイ機能で過去との比較も可能。
構成要素は、ラックの温度/湿度を検知するワイヤレスセンサー「ラックセンサーアレイ」、CRAC/CRAHユニット(空調機周辺)の温度/湿度を検知するワイヤレスセンサー「プレナム定格アレイ」、これらワイヤレスセンサーに物理接続し情報を収集するワイヤレス通信機「ベースステーション」、床下の気圧差を評価する「気圧ベースステーション」、データセンターの基本環境情報すべてを集約する「ベースステーションゲートウェイ」「DC Environmental Edge サーバー」だ。DC Environmental Edge サーバーはHP Insight Control Observerソフトウェアを動かすためのハードウェアである。
HPはHP Data Center Environmental Edgeの導入効果について、ある製造企業(データセンターの広さ2300平方メートル)の例では、年間のCO2削減量が2032トン(5433万円)、収容面積向上率が33%と報告している。
参考価格は、200平方メートル区画、ラック60本、空調機3台の環境構成で345万9750円(税込み)から。なお、HP Data Center Environmental Edgeの導入コンサルタントサービスも用意されている。同サービスの参考価格は同上の環境構成で157万5000円(税込み)から。
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