グリーンIT実践の第一歩
サーバのエネルギー効率を正確に測定するには
電力・エネルギー測定はデータセンター運営のための重要な指標になる。サーバのエネルギー効率を測定するには、正しいツールと方法を利用する必要がある。
電力密度の上昇とエネルギー価格高騰を受け、サーバのエネルギー効率測定の重要性がかつてなく高まっている。その指標を得るためには、正しいツールと方法を利用して正確な結果を出すことが必要だ。
電流計を使って電力を計量しようとする人も多いが、このやり方には問題が2つある。
第1に、電力はアンペアではなくワットで測るものだ。ワットは電流(アンペア)×電圧(ボルト)×力率で算出される。電流計を使って電力を計量しようとすれば、電圧と力率は推計せざるを得なくなり、相当の誤差が出る可能性がある。
2つ目の問題として、電流、電圧の測定値は瞬間的なものだ。たとえ電力を正確に測ったとしても、分かるのはその時点でのサーバの「パフォーマンス」にすぎない。
ベンチマークテストでサーバ効率を正確に測るためには、テスト全般にかかわる累積的な消費電力を測定しなければならない。時間の経過に伴う累積的な消費電力はワット時で計量する。このためには電子ワット時計量器が必要になる。ワット時計量器は回路中の電流、電圧、力率を継続的に監視し、エネルギー利用の実態を正確に測る設計になっている。さまざまなサーバで同じベンチマークテストを行って電力を測定できるようになれば、一定の消費電力で達成できる作業量の比較が可能になる。
正しいワット時計量器を選ぶには、検討すべき大切なポイントが幾つかある。1つはメーターの計量単位だ。ワット時計量器は大口消費を長期にわたって記録し、その数値をキロワット時で蓄積することを想定しているものが多い。こうした大容量メーターを小規模な回路や短期間の計量に利用するのは、100メートル走の計測にカレンダーを使うようなものだ。こうした目的で利用するためには、ワット時あるいはさらに細かい単位で測れる高精度メーターが必要だ。
ワット時計量器は形状もさまざまだ。一般的なプラグとレセプタクルを使ってロードとソースの間にインラインで差し込むだけのものもあれば、電圧測定のため回路に入り込み、電流測定のため回路の周囲に変流器を取り付ける必要があるものもある。また、分岐回路ワット時計量器は配電盤内部で個々の回路の電力利用を測定できる。
機能面を見ると、ネットワークに接続して自動的に数値を読み取るワット時計量器もあれば、デジタル画面から目視で読み取らなければならないものもある。ネットワーク接続型計量器の大きな利点は、一連の数値を簡単に記録して傾向分析ができることだ。
電力・エネルギー測定は、現在のデータセンター運営のための重要な指標になる。こうした指標で装置の効率性を判定することに加え、熱負荷を把握して冷却管理の一助とすることもできる。エネルギー測定はまた、エネルギー経費を実際の消費者に割り当てる用途にも利用でき、エネルギー効率の高い装置導入に向けたインセンティブの形成にもつながる。
本稿筆者のダン・ディエッソ氏は、データセンター向け電力・環境計量製品を手掛けるSmart Worksの創業者。自動計量製品の開発・導入に10年以上携わった経験を持つ。
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