シマンテックがコンテンツアーカイブソフトウェアの新版と、e-Discovery(電子情報開示)を支援する新技術を発表。
シマンテックは9月7日、コンテンツアーカイブソフトウェアの新版「Symantec Enterprise Vault 9.0」(以下、Enterprise Vault 9.0)と新技術「Enterprise Vault Discovery Collector(英語版)」を発表した。
Enterprise Vault 9.0は、メールサーバやファイルサーバ、Microsoft SharePoint Serverなどに存在するデータをアーカイブし、その集中管理や情報検索を可能にするソリューション。今回の新版では、「Microsoft Exchange 2010 Service Pack 1」「Microsoft SharePoint 2010」「Lotus Notes/Domino 8.5.1」など対応プラットフォームを拡張した。また、e-Discovery(電子情報開示要求)への対応を強化し、検索結果を絞り込んで重複するデータを排除する機能「Discovery Accelerator」などを備えている。そのほか、クラウド型メールサービス「Microsoft Exchange Online」における電子メールに対する情報検索なども可能である。
Enterprise Vault Discovery Collectorは、アーカイブ対象外のネットワークサーバやアプリケーションなどのリソースからもe-Discovery対象となるデータを収集することができる技術。ただし、国内での提供開始は検討中である。
シマンテックではEnterprise Vault 9.0を活用することで、コンプライアンス(法令順守)やe-Discovery対応に伴うデータの検索が容易になり、そうした企業のリスク対策におけるコスト削減や内部調査の効率化などが図れるとしている。Enterprise Vault 9.0は9月17日から同社の販売パートナーによって販売が開始される。参考価格は1000人で約1000万円(保守料別)。
シマンテックの執行役員 マーケティング本部長 石崎健一郎氏は「これまではメールのアーカイブ機能に注力していたが、“蓄積されたデータをどう効率的に管理・検索できるか”というニーズが日本市場にも広がりつつある」と説明した。また、国内e-Discovery関連市場の規模が「2009年の69億円から、2010年は133億円(前年比成長率91%増)まで成長する」というIDC Japanの市場予測を示し、「米国で2006年に施行された電子情報開示制度への対応は、海外で事業を展開する日本企業の共通課題である」と説明。その上で「米国で起こった製造業企業への大規模なリコールを契機として“予防対策的なソリューションとしての導入”が進みつつある」と指摘した。
日本における電子情報開示への取り組みについて、牧野総合法律事務所弁護士法人の弁護士、牧野二郎氏は「電子メールには証拠能力がありその証拠価値も高いが、それを証拠化することが難しかった」と説明した。牧野氏によると「電子データの保管と開示が義務化されている米国では膨大な情報を担当弁護士がすべて精査するが、法制度が確立されていない日本では社内のスタッフが判別作業を実施することが多く、重要証拠の欠如によって不利な判決が出ることもある」という。そのため、これから求められる訴訟リスク対応策として「会社法や金融商品取引法の内部統制の一環として、電子データの正確な記録が可能な網羅性、検索性に優れた“信頼できるシステムの構築”が重要だ」と語った。
シマンテックは同時に、Enterprise Vault 9.0およびUBICの電子証拠開示支援システム「Lit i View」と連携するソリューション「UBIC Enterprise eDiscovery Solution」の提供開始を発表した。Lit i Viewは、Enterprise Vault 9.0や各端末から収集したデータを基に、国際訴訟で要求される電子証拠の提出までの業務をサポートする。
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