メール/エンドポイントセキュリティ、バックアップ/リカバリ機能を備える情報保護スイート製品に、新ラインアップを追加。従来製品の一部価格を半額とした。
シマンテックは6月29日、セキュリティ対策とシステムのバックアップ/リカバリ機能を搭載する情報保護製品「Symantec Protection Suite」に、従業員数100〜500人規模の企業を対象とした新ラインアップ「Symantec Protection Suite Advanced Business Edition(SPS ABE)」を追加。7月5日より販売開始すると発表した。
Symantec Protection Suiteは、電子メールのスパム対策やエンドポイントのウイルス対策に加え、PCやサーバに保存された情報のバックアップ/リカバリ機能を備えたスイート製品。これまで従業員数100人以下の企業を対象とした「Symantec Protection Suite Small Business Edition(SPS SBE)」および同500人以上の企業を対象とした「Symantec Protection Suite Enterprise Edition(SPS EE)」の2製品を用意しており、SPS ABEはその中間に位置する製品となる。
いずれのスイート製品も同社の既存製品をバンドルする形で構成され、例えば今回発表したSPS ABEであれば、メールセキュリティ製品「Symantec Brightmail Gateway Virtual Edition」、エンドポイントセキュリティ製品「Symantec Endpoint Protection」、バックアップ/リカバリ製品「Symantec Backup Exec System Recovery Server Edition/Desktop Edition」で構成される。電子メールやリムーバブルディスク経由などエンドポイントからの情報漏えいを防止するほか、万が一脅威が発生したりシステムが故障した際にも、バックアップ/リカバリで異種ハードウェア混在環境や仮想環境でも個別のファイル・フォルダのリカバリ、システムの迅速な復旧が行えるという。また、各製品を単体で購入するよりも安価なことから、コスト面でも優位性を発揮するとしている。
また同発表に合わせてシマンテックでは、従業員数100人未満の企業向けに提供しているSPS SBEの価格を、新規購入で5割引き、他社製品からの乗り換えで3割引き、更新は4割引きと、それぞれ値下げした。「大規模企業のような高レベルのセキュリティ手段を持たない中堅・中小企業(SMB)は、これまで以上にサイバー犯罪者の標的となる。そうした脅威に備え、セキュリティ対策だけでなく、バックアップ/リカバリで情報を保護することが重要になる」(プロダクトマーケティング 広瀬 治氏)ため、今回の値下げは今後の市場を見据えたバックアップ/リカバリ製品の普及活動でもあるとした。
シマンテックが世界2152社のSMB向けに行った電話調査(2010年5〜6月実施、日本企業100社を含む)では、約76%の企業が機密情報の損失を脅威と認識しており、実際に58%の企業が過去に機密情報または自社固有の情報を損失していることが分かった。また、ITで改善すべき分野としてはバックアップ/リカバリ、セキュリティ、パフォーマンスが上位に挙げられていた。このことからもシマンテックでは、Symantec Protection SuiteがSMBに向けて低価格で必要な機能を提供する製品としている。
さらに、Symantec Protection Suiteやほかのシマンテック製品(Symantec Data Loss Prevention、Symantec IT Analyticsなど)と連携した共通画面上で管理可能なポータル型管理コンソール「Symantec Protection Center」も用意。専任のIT管理者を十分に確保できないSMBに管理面でもメリットがあるとしている。現在はSPS EEとSPS ABEのみ対応しているが、今後SPS SBEについても、必要機能が実装され次第対応する予定だ。
製品価格は、新発表したSPS ABEが100ライセンスの場合で新規1ユーザーライセンス当たり9800円から。50ライセンス購入ごとにBackup Exec System Recovery Server Editionが1本無料で提供される。価格変更したSPS SBEは、30ライセンスの場合で新規1ユーザー当たり6600円から。
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