米国主導でPOS標準化が進む現状を変えたい──日米間で奮闘するセイコーエプソンSmarter Retailing Forumインタビュー:セイコーエプソン編

Smarter Retailing Forum参加企業の中で、唯一全米小売業協会のIT標準化団体の幹事企業に名を連ねるセイコーエプソン。常に米国主導でPOS標準化が進む現状にあって、日本の発言権を高めるために奮闘を続けている。

2011年01月13日 08時00分 公開
[富永康信,ロビンソン]

日本と海外の橋渡し役を引き受けてきたセイコーエプソン

 日本を含む世界の流通業界において、2011年はPOSシステムの変革の年になるのではないだろうか。次世代のPOS仕様策定に、日本のSmarter Retailing Forum(SRF)の活動が主導的役割を果たしているということは、前回の「『注意すべきは国内POSのガラパゴス化』──世界のPOS発展を導く日本発の標準化提案」でも紹介したが、米国の流通業界団体と密接な強力関係を築き、日本の発言力を高めるために奮闘してきたのが、SRFのステアリングコミッティの1社であるセイコーエプソンである。

画像 2010年7月発表のサーマルレシートプリンタ「TM-T88 V」

 家庭用インクジェットプリンタ「カラリオ」や液晶プロジェクターなど、情報機器メーカーとして知られるセイコーエプソンは、1942年、長野県諏訪市にメカニカルウオッチの組立・部品製造を行う大和工業として創業。その後1959年に第二精工舎諏訪工場と合体、社名を諏訪精工舎とし新しいスタートを切る。そして1964年開催の東京オリンピック向け公式計時装置として卓上小型水晶時計「セイコー クリスタルクロノメーター」や計測結果を印刷する「プリンティングタイマー」を開発。それが1968年発売の世界初の小型軽量デジタルプリンタ「EP-101」に結実し、折しも電卓の普及に伴う印刷需要によって累計出荷台数144万台を記録する大ヒットとなった。そのEP(Electric Printer)の子どもたち(SON)となる製品群を世に送り出したいとの思いから、1975年に「EPSON」ブランドを制定。以来、多くのEPSONブランド製品が誕生、現在に至っている。

 セイコーエプソンのプリンタは海外でのシェアも高く、ベストセラーブランドを数多く持っている。中でも業務用小型プリンタ「TMシリーズ」は世界シェアで約40%を占め、「TM-T88 Vシリーズ」はサーマルプリンタのデファクトスタンダードとなっている。堅牢性、信頼性、互換性の他、部品の永続的な供給体制も評価されている理由だという。

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