素材メーカーJSRが、グループ全体の基幹業務システムをクラウド環境に移行した。グループ全体の業務効率化や経営判断のスピードアップを狙う。
電子部材やリチウムイオンキャパシタ向け素材などを手掛けるJSRが、自社基幹業務システムをクラウドサービスに移行した。SAP ERPをベースに、NECが「クラウド指向基幹サービス for 素材業」として素材メーカー向けの機能を追加している。クラウド指向基幹サービス for 素材業はNECが2012年4月5日に提供開始した製品で、JSRは第1号の採用事例となる。システムはJSRのグループ全体に展開し、既に稼働している。
素材メーカーは、製造設備への投資額、原材料費の変動が大きい。通常、原材料の仕入れ価格は一定期間ごとに単価が確定次第、遡及して価格を反映させる必要がある。また、原価計算においても、月次の総平均による算出が行われることが多い。今回の導入ではこうした素材メーカー特有の手続きを機能として実装している。このほか、設備投資関連の情報や設備に付随する固定資産管理なども簡便に行えるようになっている。
NECでは、「クラウド指向サービスプラットフォームソリューション」を展開しており、今回発表された素材メーカー向けのクラウド基幹システムもその一環。
基本アプリケーションサービスが月額160万円〜(利用ユーザー数20を含む)。SAP ITO(Information Technology Outsourcing)サービス、AMO(Application Management Outsourcing)サービスも個別見積もりで提供する。
JSRでは、今回のSAPクラウドサービス導入で、既存のローカルに分散したデータを統合し、運用・オペレーションコスト削減およびグループ全体でのIFRS対応も視野に入れた仕組みを構築するとしている。
NECのプレスリリースによると、SAP ERPへの主な追加機能は次の通り。
(@IT MONOist 製造マネジメント)
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