多くのアプリと同様、モバイルアプリもパフォーマンス問題と無縁ではない。不安定な回線接続のせいで、問題は一層複雑になっている。開発者はどう対処すべきなのか?
ソフトウェア開発チームは、パフォーマンス管理のプロセスには十分な注意を払わないことが多い。実のところ、パフォーマンス管理がプロセスに含まれるとは全く思っていないだろう。速く動作するように最初からアプリケーションのアーキテクチャを構築するのではなく、パフォーマンスの目標値を念頭に置きつつ、試行錯誤しながらコーディングとテストを繰り返し、本番稼働中にソフトウェアがトラブルを起こさないことを祈っている。
そして避けられない事態、つまりパフォーマンス低下が起こったときには、システム運用管理者が駆け付け、ボトルネックを探して解消する。システム運用管理者は、さながら炎に立ち向かう消防士だ。火事を未然に防ぐ方策を取るわけではない。
パフォーマンスの問題に発生してから対処するのは、あらゆるアプリについてごく普通に行われている手順だ。だがモバイル環境の場合、問題はさらに深刻になる。ユーザーは、実に多様な回線接続環境を常に移動している。モバイルアプリのパフォーマンスが予測通りにいかないことはあまりにもよくあることで、もはやそれが常態化している。
それでも、この状況が好転する材料はあると筆者は考える。
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