Windows Server 2012 R2でハイブリッドクラウド実現
進撃するITの巨人、米Microsoftの企業向け新戦略とは
正式リリースまで秒読みが始まったWindows Server 2012 R2。ハイブリッドクラウド機能をはじめ、企業ニーズが大きい複数の新機能を搭載するという。
米Microsoftの「Windows Server 2012」および「System Center 2012」の新バージョンには、プライベートクラウドとパブリッククラウド間でのワークロードの移動を可能にするハイブリッドクラウド機能が搭載される。また、マルチデバイス管理にも対応するほか、Azureの課金方法も一部変更されている。
2013年6月にPreview版の提供が開始されたWindows Server 2012 R2には、SDN(Software Defined Networking)を利用したエンタープライズハイブリッドクラウド機能、ストレージ管理機能の強化、仮想マシンのポータビリティ関連機能が含まれる。「TechEd North America 2013」において、これらの新製品のデモが披露された。
Microsoftの広報、イーロン・ケリー氏は、「ユーザー環境のインフラを、Azureパブリッククラウド内、または他のサービスプロバイダーが提供するインフラと組み合わせて運用する、ハイブリッドクラウドを構築できるようになる」とコメントしている。
また、TechEdでは、Hyper-Vを使ったネットワーク仮想化、「Hyper-V Network Virtualization」の新しいテクノロジーも紹介された。SDNを使って、プライベートのデータセンターとサービスプロバイダーのデータセンターにまたがり、1つのネットワークを定義するというものだ。
「オンプレミスのファイアウォールの内側とデータセンター内とで、ネットワークを分断せざるを得ない時代は終わった。オンプレミス環境とAzureのパブリッククラウドをまたいで、ネットワークを定義できるようになった」(ケリー氏)
SDN機能によって、パブリッククラウドシナリオとプライベートクラウドシナリオの両方に対応できるアプリケーションを開発する道が開かれるとケリー氏は話す。例えば、大量のタスクを実行しているときに、クラウドに「バースト」する(切り替える)アプリをユーザーは開発できるだろう。
仮想ネットワーク環境以外では、ストレージ管理機能も強化されている。Windows Server 2012 R2では、ストレージインフラ(SSDまたは従来のハードドライブ)をデータセットの種類に応じて使い分けられる。
「例えば、Windows Server 2012 R2を使うと、高いパフォーマンスを必要とする特定のアプリケーションシナリオを管理し、そのワークロードをSSDに割り当てることができる」とケリー氏は説明する。
また、仮想マシンのパフォーマンスとポータビリティも向上している。Windows Server 2012 R2では、これまでよりも簡単にAzureに仮想マシンによるテスト環境および開発環境を構築したり、その環境をオンプレミスに移動して実行できるようになる。さらに、オンプレミスから他のサードパーティーのクラウドサービスプロバイダーに仮想マシンを移行するプロセスも簡素化されている。
「これ(サードパーティープロバイダーへの仮想マシンの移行)に対する需要はあると思う」と話すのは、米CSCの情報アーキテクト、マイク・ドリップス氏だ。「これまで、Azureではこの処理は非常に面倒だった。企業から長いこと求められていた機能だが、Microsoftがこの機能を提供できるようになるまでだいぶ時間がかかったのだと思う」
Windows Server 2012 R2は、2013年に入ってから、リリースサイクルを早める計画の下で、コード名「Blue」として発表されていたWindowsの次期サーバOSに当たる(対応するWindowsクライアントは「Windows 8.1」)。
System Center 2012 R2によるクロスプラットフォームデバイス管理
BYOD(Bring Your Own Device)を解禁する企業が増えていることから、System Centerの新バージョンにはデバイス管理機能が組み込まれる予定だ。つまり、System Center 2012 R2では、iOSおよびAndroid端末のサポートが強化される。
「単一の管理インタフェースと共通のリポートインフラを使って、端末を一元的に管理できるようになる。さらに、どの業務アプリケーションを公開するのか、そしてユーザーまたは端末の場所を基に、どのユーザーとどの端末にアプリケーションを公開するのかを、より細かく制御できる」とケリー氏は説明する。
ケリー氏によると、「主要な」エンタープライズアプリでは、シングルサインオンもサポートされる予定だ。
Azure BizTalkの課金が分単位に
Microsoftは、VM(仮想マシン)およびWorkerロールの価格体系を改訂し、課金の単位を時間から分に変更した。「この変更はAzureユーザーにとってコストメリットになる」とケリー氏は話す。
「繰り上げで1時間分を計上するのではなく、分刻みで計上する。これは、業界で今までなかった方式だと思う。この方が顧客により多くの価値を提供できる」(ケリー氏)
なお、TechEdではクラウドでのEDI(電子データ交換)処理の実行を可能にするAzure BizTalkのプレビューも発表されている。
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