“オープン”以上の価値がある、OpenStackが企業で歓迎される理由エンタープライズのためのOpenStack検討ガイド【第1回】

企業システムへの導入、検討が本格化しつつある「OpenStack」。だが、オープンソースはソースをオープンにしただけでは大きな価値を生まない。今OpenStackがなぜ注目されているのか、最新の動向や他技術との比較を交え解説する。

2014年11月20日 08時00分 公開
[真壁 徹米Hewlett-Packard Company]

 「OpenStack」が2010年5月に産声を上げてから早4年、いよいよ企業システムへの導入、検討が本格化しはじめた印象だ。本連載の第1回では、OpenStackがなぜ注目されているのか、最新の動向や他技術との比較を交え解説する。

OpenStack、4年間の歩み

OpenStackとは何か

 OpenStackとは何か。誤解を恐れずに言えば、「データセンターの全てを自動化しようと企てているプロジェクトとその成果物であるソフトウェア」である。OpenStackの公式サイトには、“Open source software for creating private and public clouds”と表現されている。だが、クラウドコンピューティングという言葉の定義は曖昧で分かりにくい。筆者はこの表現よりも、OpenStackの3周年イベントで使われた“Automate All The Things”というフレーズがピンとくる。データセンターを構成する要素である、サーバ、ストレージ、ネットワークおよびソフトウェアの、割り当てから解放までのライフサイクルを自動化しようということである。

 そんなOpenStackの歴史であるが、TechTargetジャパンに2010年から2011年まで連載された記事が詳しい。歴史や背景に関心があれば、ぜひご一読いただきたい。

OpenStackの歴史や背景に関する記事(2010~2011年執筆)

OSSクラウド基盤 OpenStackの全て【前編】

OSSクラウド基盤OpenStackの全て【後編】


2011年以降の動向

 さて、簡単に2011年以降の動向を追っていこう。プロジェクトの大きな変化は以下の3つである。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 株式会社MONO-X

IBM i の資産を生かし、着実に DX へとつなげるモダナイゼーションの進め方

IBM i 基幹システムを運用する企業でモダナイゼーションが喫緊の課題となる中、推進の課題も多い。そこで、「クラウド」「ノーコード開発」「API」「AI」を主軸とするIBM i ユーザー向けモダナイゼーションサービスを紹介する。

製品資料 富士通株式会社

小売業のDXを加速する次世代のプラットフォームとは

小売業界にとって、顧客体験(CX)、従業員体験(EX)の向上ならびにDX推進は重要度の高い課題である。多拠点、多店舗、他業態を展開する小売業でCXとEXをグローバルに向上する次世代のリテールコマースプラットフォームとは。

事例 株式会社BeeX

わずか4カ月でデータ分析基盤の内製化に成功、ロッテに学ぶDX推進の秘訣

ロッテはシステムのAWS移行を進める中、DX推進の鍵は内製化比率の向上にあると考え、内製化の強化に踏み切った。本資料では、内製化の実現に向け、支援を受けながら、初めて取り組んだAWS開発と人材育成を成功させた事例を紹介する。

製品資料 株式会社AIT

国際間の映像データ配信や拠点間での動画共有も高速で、ファイル転送の注目手法

大容量データの送受信には、通信遅延や帯域制限の課題がある。本資料では、高速で安全なデータ送信を実現できるファイル転送プラットフォームを紹介する。導入時に気になるポイントとともに、料金プランも分かりやすく解説している。

製品資料 発注ナビ株式会社

リードが商談化できない? SaaS導入のベンダー側と企業側の悩みを一掃する方法

SaaSの利用が拡大する中、ベンダー側と企業側の両方がさまざまな課題を抱えている。ベンダー側は商談につながるリードが獲得しにくいと感じており、企業側は製品の選定に困難さを感じているという。双方の課題を一掃する方法とは?

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...