目先の安さに惑わされるな
下がり続けるクラウドの価格、どのように比較すれば損をしないか
パブリッククラウドの運用に掛かる実際のコストを把握するには、各インスタンスの価格だけでなく、セキュリティ、サービスの種類、ネットワークコストなどの要素も考慮しなければならない。
パブリッククラウドプロバイダーは、毎週のように値下げを行ったり、同じ価格構造でサービスの拡充を図っている。だが、クラウドの価格を比較するときに関わるのは数字だけではない。企業がクラウドサービスの最終的な価格を正しく理解するには、サービスの種類、ネットワークコスト、セキュリティなども考慮しなければならない。
米Amazon Web Services(Amazon)は過去6年間で44回の値下げを行った。それに対抗する形で米Microsoftと米Googleも価格を下げてきた。ストレージだけを取ってみても、さまざまなワークロードに対するRAM 1Gバイト当たりの平均月額コストは、この数年で一様に低下している。米Business Insiderによると、2013年10月~2014年12月の間にAmazonは8%の値下げを行った。GoogleとMicrosoftは同じ期間にそれぞれ6%と5%の値下げを行っている。米Rackspaceや米AT&Tなど、他のクラウドサービスプロバイダーは、それ以上の値下げを行っている。
コストモデルを考えるときには、価格だけでなく、クラウドサービスの提供方法も重要となる。考慮すべき要素は、サービスレベル契約(SLA)、Points of Presence(PoP)、サービスの種類(ベアメタルストレージ)、ネットワークトラフィックの課金、セキュリティ、管理など多岐にわたる。同じ条件のクラウドサービスプロバイダーは2つとないため、パブリッククラウドサービスの価格を同一条件で比較するのは困難だ。
実際のサービスの価格はデータの1つにすぎない。企業は、現在の要件および将来の要件という価格よりも重大な問題を考慮する必要がある。誤ったクラウドを選択した場合、クラウドが期待に沿わなければ価格が低くても意味がない。だが、クラウドの価格を理解せずにサービスを選択すると、今後5年間でそのクラウドサービスに支払うべき料金の10~20倍の料金を支払うことになりかねない。
クラウドサービスの実際の機能を理解する
クラウドを選択するときには、まず要件を把握することをお勧めする。具体的には、現在および将来のパブリッククラウドサービスの要件を全てリストアップされたい。これを行う主な理由は2つある。
1.検討中のクラウドサービスが要件に合わない場合、どんなに安価であっても、それは適切なクラウドサービスではない
2.リストアップすることで、要件に合うクラウドを絞り込み、サービスの価格を比較できるようになる
クラウドの価格モデルは、サービスプロバイダーによって大きく異なる。例えば、ネットワークトラフィックへの課金の有無はプロバイダーによって異なる。また、レプリケーションサービスに課金するプロバイダーもあれば、レプリケーションサービスを標準機能として提供するプロバイダーもある。パブリッククラウドサービスの価格、コストの違い、提供サービスを比較するときには、各プロバイダーの価格モデルの理解に作業時間の大部分を費やすことになるだろう。
エンドレスなパブリッククラウドサービスプロバイダーの値下げはあまり意識しないことだ。今後も価格は低下し、それがコストモデルにも適用されるものと想定するのがよいだろう。また、パブリッククラウド導入の裏付けとして全てのパブリッククラウドの適合性と機能について検討されたい。パブリッククラウドについて総合的に検討すると、現在割高なクラウドサービスも、年を追うごとに割安になる可能性がある。
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